ネジ+綱手 お笑い 会話形式 ※唐突に思いついたお笑い。タイトルが全てを物語ってます。ガイこそ登場しませんが、ネジと綱手が話しているのが他ならぬ、ガイのこと。口調でどちらがどちらかを、判断してください。 尚、絵やら図やらを色々と想像して読めば、より楽しめます(^^;;;) ------------------ 「火影様。一体どうして、ガイをあのようなことに・・・」 「ん? お前は不満そうだな、ネジ」 「不満と言うより、納得できません。 ガイが任務か何かで失敗して、その咎(とが)で・・・と言うのならまだ分かります。 ですが、そのようなことは断じてない、と暗部の方からも聞き及んでいます。 俺、いや若輩者の私のような者が、火影様に意見するのもどうかと思うのですが、さすがに今回は説明が欲しい、と思いまして・・・」 「・・・ガイは何か、不満を言っているか?」 「いえ。三食昼寝付きですし、これも任務のひとつと思えば、と、逆に燃えてる始末で。密室でしか出来ないトレーニング、とやらをやっています」 「では、いいではないか」 「ちっともよくありません。リーの奴が、ガイの待遇に反感を持っています。 とりあえずテンテンと、ガイ本人の取り成しでおとなしくしていますが、下手をすれば任務放棄をしかねません」 「ふむ。自分が里外へ赴いている間に、師匠に害をなす───と言うのが、よくあるパターンではあるな。鋭い奴だ」 「火影様・・・・・・・・・・・☆」 「冗談だ。木ノ葉は別に、ガイをどうこうするつもりはない。むしろ、あやつを守ってやらねばと、色々画策している最中なのだ」 「守る、ですか。 ・・・どうりでわざわざ、あのような頑丈な独房なぞに、ガイを閉じ込めているわけだ」 「分かるか?」 「それなりにややこしいことだ、という事は何となく。 ガイ本人がでしゃばると、かえって事態をこじらせかねないから、ですね?」 「ククク、お前も相当、師匠には手を焼いてると見えるな、ネジ」 「・・・。私のことはどうでもよろしいんです。 ここはきっちり、どうせなら納得の出来る説明を願えませんか」 「仕方がない。だが、今回の件がきちんと解決するまで、他言無用だぞ」 「無論です」 「では、まずはこれを見てくれ」 「・・・この男が、何か?(見覚えがある顔だな)」 「某国の大企業社長の御曹司だ」 「は? 御曹司、ですか? 兄弟、ではなく? 確かに、某国の社長の血筋と言われても頷けるほど、この男の容貌は似てはいますが」 「どうして兄弟だと思うのだ? 親子、ではなく」 「だってこの男、その、某国社長より、あの・・・」 「同年代か、下手をすれば老けて見える、か?」 「は、はあ・・・。 その、この某国の社長、と言う男は、私も新聞で何度か見たことがあります。外見も内面も特徴的な人物ですから、そうそう忘れようもありませんし」 「お前の師匠と負けず劣らず、か?」 「火影様・・・・・」 「スマン、つい茶々を入れずにはおれんのでな」 「・・・で、その御曹司が、何か?」 「実はガイたち上忍数名で、彼を護衛したことがあるのだ。つい数日前」 「数日前? ・・・そう言えばここ数日、ガイの姿が見えなかったな」 「状況説明は省くが、ガイが姿を対象者に見せた状態で、護衛せざるを得ない任務でな。むろん、その任務は成功に終わったんだ」 「でしょうね。隠密活動ならともかくも、人に見られても良いんなら、あの男の独壇場でしょう」 「で、その御曹司には子飼いのボディーガードが、数名いる」 「・・・ちょっと待ってください。 子飼いのボディーガードがいたのに、ガイは護衛の任務をさせられたのですか?」 「まあ、そうぼやくな。さすがにガイほどの手だれではないと不安だと、社長が依頼してきたんだ。その代わり、依頼料は法外だったぞ」 「そのせいで、要らぬ恨みを買って命を狙われるんじゃ、はっきり言って帳尻が合いませんよ」 「・・・・・全くだ。私も御曹司たち本人に、言ってやりたいセリフさ」」 「要するに、そのボディーガードは、ガイに役目を奪われたことで、いたくプライドを傷つけられた。で、報復しようとこちらへ向かっている。ハク付けの意味もあるか。 でも、ガイがそいつらを返り討ちにしても困る。打ち身程度の怪我で諦めて帰ってもらうよう、仕向けてる最中───と言ったところですか」 「それも理由のひとつではあるが・・・おしいな。80点と言ったところか」 「おしい、って・・・他にどんな理由があるって言うんですか?」 「さっき、御曹司の写真を見たな? 見てお前、何か感じなかったか?」 「え・・・ですから、社長の息子とは思えないと・・・」 「どうして、そう思ったんだ?」 「その・・・この男の・・・髪が、随分薄くてみすぼらしいから・・・って、あれ??」 「ちなみにこの男、ガイと同い年だぞ」 「同い年!? 本当ですか!?」 「こんなことで嘘を言ってどうなる? そこまで情報提供すれば、分かるだろう? どうしてガイが、命を狙われたか」 「・・・おい、どうしたネジ。気分が悪くなったのか? だとしても、そんなところでうずくまってもらっては困るぞ」 「ば・・・馬鹿馬鹿しい・・・・・っ!」 「そう言うな。本人にとっては、切実な問題なのだろう」 「言いたくもなりますよ! ガイのことだ、暑苦しくも真面目に、護衛役をやってのけたんでしょう。なのに、こともあろうにその守ってやった相手から、命を狙われるなんて。 しかも理由が、単なる嫉妬じゃないですか!」 「ガイの黒髪は、くのいち達の間でも語り草になっているからなあ。 大した手入れをしている様子もないのに、どうしてあれだけツヤツヤのキューティクル状態を保っているのか、とな」 「くのいちですら羨ましがってるなんて、知りませんでしたよ・・・。 なら、薄毛で悩んでる男なら尚のこと、というわけなんですね」 「ネジ、お前はさっき、暑苦しくも真面目に護衛をしていた、と想像出来たんだろう? なら、護衛中ガイが、あのツヤツヤの黒髪をなびかせながら奮戦しているさまも、簡単に想像出来るんじゃないか?」 「あまり想像したくはありませんが・・・今まさに目に浮かぶようで怖いです」 「その様子を、護衛されながらも後ろから眺めるハメになった御曹司の葛藤も、分からなくはないんじゃないのか?」 「それとこれとは話は別です。 人間性に若干・・・いや、大いに問題のある師匠ではありますが、こんなしょうもない理由で命を狙われる謂れはありませんよ。 俺は正直、生涯初めてあの男の境遇に同情したくなる・・・!」 「おいネジ、お前、この件がお前にはまるで無関係だ、と思っていないか?」 「・・・・・は?」 「お前も、それはそれは美しい、長く黒い髪をしているだろう?」 「・・・いくらぼんくらの御曹司でも、これだけ年が離れた人間の髪に嫉妬するとは、思いたくないんですが」 「御曹司の件はさておいて、だな。お前の髪も、くのいちたちの羨望の的なんだぞ」 「それこそ俺の知ったことじゃないです」 「まあ、聞け。最近、美貌で有名な某・女優が、髪のつやがなくなったと悩んでいるのを知っているか?」 「火影ともあろう方が、一体どんな情報を集めてらっしゃるんですか・・・下世話ですよ」 「なかなか面白いんで、つい、な。 ・・・まあともかく、万が一にもそう言う任務が回ってくることはないだろうが、お前とガイの二人は絶対、彼女の前には姿をさらしちゃいかんぞ。ただでさえ、世話係の髪の質に嫉妬して解雇した、なんて話題が伝わってくるほどだ」 「・・・・・・」 「髪に悩む連中に、背中から刺されないように、な?」 「・・・・・・ご助言、感謝いたします・・・」 ◆おしまい◆ ------------------ ※しょーもなっ!! イヤ、自分で書いたんですが。 この間、とある情報番組で、薄毛になりやすい条件、というのをやっていて、遺伝等もなくはないけど、ストレスや暴飲暴食も理由になるんだそうで。 ただそれだけなら「なるほどなるほど」で終わっていたんですが、すっかりガイにハマっていた ち☆ はつい彼のサラサラ髪を思い出し、「ガイはそんなものとは無縁だなあ」と考えて。逆にそういうのに無頓着だから、変な逆恨みを買ったりして・・・と、今回の話が出来た次第。ホント、アイデアの神様ってTPO関係なく舞い降りてくるよな☆ いくらプロのボディーガードとは言え、隠れ里なんだからそう簡単に潜入できやせんだろ! と、ツッコミありまくりでしょうが、お笑いですんでその辺は大目に見てねv 実はこの話、カカシやリーも出てくる予定でした。が、普通の小説形式だとストレス感じるだろうと会話形式にしたら、思い切り無駄をそぎ落とした挙句の果てに、登場人物がネジと綱手の2人だけ、という、ち☆ にとっては前代未聞の内容になってしまったとゆー。・・・いろんな意味で、意欲作です。(今まで100以上の話を書いてきたけど、独白小説を除いて、会話形式ですら最低3人は登場していた) ちなみにこの時期、ネジは既に上忍になってます。だからこそ、綱手に詰め寄ったりしてるんです。下忍・中忍時代は、色々と不満不平はあったとしても、一応は分をわきまえて意見などしませんて。ガイに対しての態度が、ケッコー辛辣ではあるものの以前から比べればかなり柔らかくなってるのも、そのせい。一緒に任務を沢山こなしたりするうちに、認めるところは認めるようになってます。 ただ、綱手のところへ文句を言いに行くのを、勢いでネジにしたんですが、よくよく考えたら彼も、なかなか綺麗な長髪してますよね? 逆にその辺の意識が薄いんじゃないかと、妙なリアリティが出た気が。ラストに「背中から刺されないように」と書いたのは、無頓着だからこそ恨み買うんじゃ? と思ったから。妙なところで似てるよな、ガイとネジって。 ところで。 今回このままじゃ、問題が全然解決しとらんじゃないか、と思うので、ちょびっとオマケを書いておきます。でもやはり、ネジと綱手さましか登場しません。ただし、とある人物が暗躍してますが(^^;;;)やっぱり出さずにはいられないんだよなあ・・・。 ------------------ ◆おまけ◆ 「どうでもいいんですが、このままでは根本的な問題解決にはなっていませんよね?」 「このまま単に、刺客を気絶させて叩き出すだけでは、確かにな。 だが安心しろ。御曹司の薄毛を何とかすれば、一挙解決だ」 「・・・は? どうやって? 火影様お得意の医療で、薄毛を何とかする方法が、あるとでも?」 「当たりだ。あの御曹司はどうやら、毛が薄いことへの堂々巡りストレスと、暴飲暴食が理由での薄毛らしい。 つまり、それらを取り除くことが叶えば、薄毛も解消することとなる」 「簡単におっしゃいますね・・・御曹司、ということは、金と暇と権力が有り余ってる、ってことでしょう? そういう男から、どうやってストレス・・・はともかく、暴飲暴食をなくすんですか?」 「いくら根性なしでも、生命がかかっていれば話は違ってくるだろう」 「・・・・・・物騒なことを笑顔でおっしゃらないでください・・・」 「いや、本気で命をとるとか言うんじゃない。ちょっと脅して、ダイエットも兼ねてるんだ、と囁いてやれば、よほどのことがない限りは取り組むさ」 「そんな無茶な・・・」 「物は言いようさ。大体、よく思い起こしてみろ、ネジ。この木ノ葉の忍で、薄毛の奴は何人いる?」 「・・・・・。イビキさん以外、ほとんど思いつきませんね。第一彼の場合、むしろ薄毛じゃなくて必要性に迫られて、敢えて剃ってらっしゃるんでしょう?」 「まあな。それはともかく、忍は暴飲暴食はしない、そのおかげで髪は無事なんだ、と言ういい見本になるじゃないか」 「説得力はあるかもしれませんがね。そんな馬鹿馬鹿しい、御曹司の暴飲暴食を控えさせるなんて任務、受ける奴がいるものですか」 「いるさ。たとえ不満や文句があろうが、無理やり引き受けさせるんだ。私は火影だぞ?」 「俺は断固拒否します!」 「安心しろ。わざわざコンプレックスを刺激するような奴を、派遣したりはせん。逆効果だ。そういう意味では、ロック・リーも無理だな。見事なまでの『天使の輪』だし」 「あいつの場合、性格的な問題もあるでしょう。 しかし・・・一体誰が引き受けたんだ、こんな任務」 「とりあえず非番だった奴を当てたがな。さすがに他の任務と兼用、と言うわけにはいかんし」 「非番、って・・・ここ最近、木ノ葉は皆暇で、ほとんどの奴を里内で見かけてましたが。 忙しかったのは、さっきの護衛の任務とやらが入っていたガイ、と、彼とマンセルを組んでいた連中だけなんじゃ・・・」 「ほう、なかなか鋭いな。さすがは天才」 「・・・・・あの、火影様。さっき思い出したのですが」 「うん? 何をだ?」 「ガイと同じ時期に、確かカカシ・・・先生も里内で見かけなかったような・・・」 「ふふふふふふ」 「まさか・・・彼に押し付けたんですか、そんな任務。次期火影とも目されてる、あの人に」 「結果的には押し付けたがな。 第一、里に押しかけたボディーガードと面識があったから、真っ先に事情を把握したのは他ならぬ、カカシだぞ? あいつもガイと同じ任務に当たっていたからな、適任だろう」 「何て運の悪い・・・優秀なのも良し悪しだな」 「そうか? カカシは笑顔で、引き受けてくれたぞ? 『折角の非番にこのような任務、さっさと終わらせた方がお互いのためですね』とか言ってたな」 「・・・それって、にこやかだけど目が笑ってない、って奴じゃ・・・?」 「あいつにしては、珍しくやる気のある発言だったと思うが?」 「やる気、じゃなくて、殺気、の間違いでしょう。 あああああ・・・己の想像力が恨めしい・・・ぼんくら御曹司がひーひー泣いているそのそばで、カカシが研ぎ澄まされた殺気を辺りにバリバリ放電してる、そのさまが目に浮かぶ・・・」 「ふむ。しかしこれは案外、いい商売になりそうだ。 『意志の弱い人間でも1週間で食事節制が出来ます!』なんて広告、いけるかもな」 「お願いだからやめてください・・・。 暴飲暴食は直ったとしても、逆にストレス溜めまくるだけですって」 ◆今度こそおしまい◆ ------------------ ※某・写輪眼がやる気を見せていたのは、ガイへの友情のためか、あまりにくだらない任務にキレかかってるか、どっちなんだろ??? あ、イビキさんが髪を剃ってる、ってのは勝手な想像です。 どーでもいいけど、おまけと本編の文章量、あんまり差がなかったよな★
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