竜の爺の戯言日記
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2005年03月27日(日) 古を偲ぶ心の隙間無く 明日も今日もただ稼ぐのみ

27日は「さくらの日」と「 日本さくらの会」 が勝手に1992年(平成4年)制定した日だと言うことになっている。日本を代表する花である桜への関心を高め、花と緑の豊かな国土づくりがその目的だという。別に自称  日本さくらの会がどんな風に決めようとかまわないが、竜の爺の居る地方はまだ開花の様子が無い。つまり蕾が膨らんでいないのだ。72候の中に「桜始開」(さくらはじめてひらく)とある時期と、「さくら」と「咲く」がともに「3×9(=27)」であることから3月27日となったという趣旨だそうで、まぅ、勝手に休日を押し付けたり啓蒙などと言う政府の御用聞きかと思う記念日と違って、まぁいいか、と思わせる。暖かくなりそうに天気図で、少し遠目の散策でもしてみようか、と思う。

 何時芽吹く堤の並木うねうねと 同行孫は後ろに前に

そういえばこの日は赤彦忌だった。アララギ派の代表的歌人として知られる島木赤彦の命日であり、享年50歳。長野で小学校教員をしながら作歌していたが、1914年(大正3年)に教職を辞して上京、伊藤左千夫亡き後の「アララギ」の編集にあたった。あららぎと言うのは【アララギ】短歌雑誌のことで、1908年(明治41)千葉県の蕨真(けつしん)(蕨(わらび)真一郎)方から「阿羅々木」として創刊。翌年伊藤左千夫を中心に編集された時から「アララギ」と称し、次いで島木赤彦・斎藤茂吉・土屋文明らが中心となって編集。根岸短歌会の歌誌として出発。万葉調、写生を主張して近代短歌を導き、大正期以降歌壇の主流となり今日に至っている。歌人仲間で【アララギ派】と呼ぶのは「アララギ」にかかわった人達のことで伊藤左千夫・島木赤彦・斎藤茂吉・土屋文明・五味保義らをはじめとして同人であった古泉千樫(ちかし)・中村憲吉・今井邦子・高田浪吉・結城哀草果・佐藤佐太郎・柴生田稔・近藤芳美らをさす。この後地方においてアララギを冠した短歌結社が多い。

万葉の古を紹介する人達は多い。忙しない現代においてその古は理解されにくくなってきている。お勧めは『万葉集』約4500首の中から、その代表歌を選び、平易簡潔な解説を付した「万葉秀歌(上・下)(斎藤茂吉 岩波新書)が有る。短歌と言う形式を利用してはいるが、歌人は大抵、結社に属して活動しているけれど、竜の爺は歌人ではなく、歌人風を装っているだけだから何処の結社にも属さない。(笑)


  散歩だと理屈に会わぬ夜警なら 均しき冷えた町へ歩みぬ

  贈答のあて先隣間違えた バイトの娘声溌剌と

  古を偲ぶ心の隙間無く 明日も今日もただ稼ぐのみ

  面白き妻はジジイを指差して 昨日も同じ短歌を笑う


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