竜の爺の戯言日記
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2005年02月01日(火) 海渡る二度と戻れぬ土捨てて五葉の松の根づく事なし

今日から2月だと言うのに寒い。勿論、東京地方も2月の第2日曜日あたりに例年雪が振ると言うようなあった記憶があるから、2月が寒いのは当たり前なのだ。が、どういうわけか今年は特に寒さを感じる。歳の性かなと思ったりする。昨日も近くで亡くなった人が数名いて、まぁ、近い年齢の人もいたりするから、年々枯れていくのが定めならば、季節の移り変わりも一段と敏感に感じるのだろうか、と思ったりするのだが、どうもそうではなく、若い人も今年は特に寒く感じると言う。暖かい日が続いての寒波来襲ということからなのだろうか、北国と言わず日本海側陸地は吹雪で1月を終えた。


「犬と同じような生活」と佐渡市でジェンキンス氏が会見したと、NHKが7時のニュース番組で放映していた。NHKがわざわざ放映するほどのニュースなのかとその放送基準を疑うのはいつもの通りだ。日本にとって何のプラスになるような仕事もしなかったアメリカ人の心境を、寒波で各地の情報を伝えなければならない国家放送が、重要な時間を割いてまで包装しなければならないのはなぜなのか。ジェンキンス氏と言えばアメリカの憲法にそむいて国を捨て仲間を捨てて北朝鮮に逃亡し、北朝鮮にかくまわれていた人間だ。その北朝鮮を今度は捨てて日本に来た。そのことについてとやかく言うことはないが、当然日本を支配しているアメリカ国家の反逆者として処罰されるべき経歴がある。北朝鮮にいる間は、在韓時代のアメリカ軍の情報を北朝鮮に提供し続けてきた。つまり、それだけの価値しか持ち合わせていない人間として北朝鮮は扱かっただろう事が推測できる。命が惜しくて北朝鮮に逃れたことを非難するわけではないが、そのことによって在韓アメリカ軍の兵士に少なからず損害を与えたことは否めない。

その逃亡兵士が、今度は日本政府の要請で北朝鮮を捨てた。それもまぁ、時代の流れだと言うことで了承しても、40年間アメリカ国家権力の追求から守ってきた北朝鮮国家を、そして、今もなおアメリカを逃れているアメリカ逃亡兵士の情報をアメリカや日本に提供して自身の安全を得ようとする「司法取引」に応じ、さらには今回のように日本国家の放送網で放映されるような記者会見の場で、北朝鮮を名指しして、「犬と同じようなひどい生活だった」「(金正日(キムジョンイル)総書記は)悪人だ」と非難を吹聴するとはあきれ果てた所業だ。さらに会うことも出来なかった見知らぬ総書記は悪人だと非難を吹聴するあたりに来ると、もはやこの会見が日本と、アメリカの権力によって意図されたものだと推測する。ならばNHKが重要な番組である7時のニュースの題材として取り上げたのは理解できるのだ。けれど、何と空々しい内容だったことか。横田拉致被害者家族会代表さえ、会見内容に不満を禁じえないでいる。

では、このニュースに何の価値があったのだろう。北朝鮮はこのニュースを当然知るだろう。日本に一時帰国者として送り出した人間を戻さない日本政府、40年間庇護したアメリカ逃亡兵の日本在日中に北朝鮮の非難宣伝、こうした些細に見える出来事を、国情の違いから国交が出来ない溝を埋めなければならない時期にきて、あえて企画するという日本政府の意図は何なのだろうか。薄ら寒い政治の世界だ。


寒波は日本海側を中心に広い範囲で大雪を降らせている。3日ごろまで強い冬型の気圧配置が続く。北日本の上空5000メートル付近で氷点下40度以下という強い寒気が次々と流れ込み、西日本まで氷点下36度以下の寒気に覆われる見通しでかなりの雪害の恐れがあるだろうと気象庁は予想している。寒い折どなた様も風邪を召さぬように(笑)


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