moonshine  エミ




2003年04月24日(木)  這いあがれ、ヘコミスト

 ヘコミスト・エミです。
 前夜飲みすぎたわけではないけど、慢性の睡眠不足やら仕事疲れやらで、
 どうもテンションが低い。
 というか、もともと朝に弱い。
 朝っぱらから些細なことで「プチッ」と切れてしまって、
 そんな自分に自己嫌悪を感じて、さらに凹む。
 お金を払うのを忘れていて、今朝から携帯電話が止まっていることに気づく。
 こんな元気のない日に、友達や相方からのメールも読めないなんて! 
 へこむ。
 マヌケな自分がおかしかったけど。
◆ 
「気をとりなおして」

 と思って午後だが、
 予定外のことで時間をとられ、監査法人と社内の他部署との間に立つやりとりにも、いい加減ストレスが溜まり、
 かわいくない態度をとってしまう。
 しかも、ほかの部署の全然関係ない人に対して。 
 八つ当たりとは、あれだ。
 自己嫌悪の嵐。反省ザル。
 その人に謝ろうと思うのに、お話しするチャンスなし。
 へこむ。
 
 凹みつつも仕事はもちろん待ったなし、
 次々に入る問い合わせや資料集めに追われ、
 机の上も引き出しの中もパソコン上で開いているファイルも散乱・散乱で、
 何からやったらいいのか、どうやって効率よく、どの関係者にも波風立てず処理していいのか、まったく見当がつかなくなる。
 冷静な判断能力をなくしてしまう。

 調子のいいときなら軽く聞き流せるようなことも、
 いちいち心に引っかかってしまい、面白い受け答えの一つも思いつかない。 
 あっというまに5時を過ぎ6時になり、フロアから人が減っていくのも今日は何だか恨めしい。
 
 こ、これは重症だ・・・と深呼吸。
 
 忙しくても、一つ一つをおろそかにせず、着実にやっていくことが結局いちばんの近道だ。
 誰に対しても誠実にあることが、結局まわりまわって自分のためにもなる。
 そう思うと少しだけ落ち着いた。

「もう、テンパッちゃって、八つ当たりはしちゃうし、最悪です〜
 いま私、かなり反省ザルです〜」
 他部署の先輩に笑いごとめかして話しかける。
 自分のことを笑い飛ばせる余裕が欲しかった。
 先輩は笑って、引き出しからローズ茶のティーバッグを一つ、握らせてくれた。
 小さな優しい反応に救われながら過ごしていく。
 そう、やっぱり、自分の心を開かないといけないんだ。

 夜になって、外はどしゃ降り。
 やはり遅くまで残っている、組織改変で部署が離れた、先週まで同じ部署で机を並べていた先輩や後輩と、
「あー、早く帰りたいけど、こんな雨の中、帰りたくないね。
 おなかすいた、ピザでも取りたいねー」
 なんて軽口たたいたりしながら、10時まで仕事。
 会社を出る頃には、かなり小降りになっていた。

 明日も一日、雨らしい。
 それでも私は会社に行く。仕事をする。
 好きなことだけ選んでやってる生活じゃない。
 蝶や花のことだけ考えてられる生活じゃない。
 もちろん、新しい道を選ぶことだってできる、これから先いつだって。
 私のストレスなんて些細なものなんだ、とも思う。
 どっちが素晴らしいとか、優れてるとかじゃなく。
 傲慢にも卑屈にもならず。
 ただ今は、目の前にあるものに懸命に。
 学べる人はどんな状況からも学んでいくんだろう。
 そんなふうに、あれたら、ね。

 ゆうべ、ネットでニュース記事を見て、
 ニーナ・シモンが亡くなったことを知った。享年70歳。
 憂いある深い声、しみとおるピアノを弾く、女性歌手。
 とても好きで、23歳の誕生日に、しん氏にCDも買ってもらった。
 ゆうべはニーナを偲んで、そのCDを聴きながら眠った。
 今夜もそうしよう。





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