moonshine  エミ




2003年03月03日(月)  日直エミの学級日誌

3月3日(月)

今日のできごと
 両足のうらに、トイレの床そうじに使うデッキブラシのブラシのほうをボンドでくっつけられて、持ち手のほうを悪まがにぎって、引っぱって、底なし沼にひきずりこまれている。
 のかと、思いました。そういう、眠さでした。
 わたしは、だいたいいつもねるのがおそいから、昼間ねむくなったりするけど、今日はいつもとちがう感じがしました。
 午前中は、ずっと眠かったです。そして、お昼ごはんを食べながらも眠くて、ごはんの味がよくわかりませんでした。
 歯をみがいてから、「かぜをひいたの?」とお友だちに聞かれたので、「うん。」と答えると、「薬を飲んだ?」と聞かれたので、「うん。」と答えました。
「あっ!」とわたしが叫んだので、お友だちはびっくりしました。「かぜ薬を飲んだから、眠いんだ。」と、わたしは言って、気づいたことにすっきりしました。
 午後も4時くらいまで、ずっと眠かったです。資料を整理したり、毎月はじめにやる特別な伝票をつくったりするのも、やっとの思いでした。
 そして、夕方になって、やっと目が覚めてきて、お友だちも帰っていきましたが、いろいろやらないといけないことがあるので、残ってやっていました。めんどくさい計算をしたりしていたら、おそくなって、おうちに帰ったのは9時すぎでした。

 夜ごはんを食べながら、たけしが出ているテレビを見ました。政治家の人たちとかが出て、けんかしてるみたいに、わあわあしゃべっていました。イラクとか北朝鮮とかにちべいあんぽとか、言っていました。
 ふしぎなのは、「ハマコーさん」とおとうさんやおかあさんが呼ぶ人のことを、テレビに出ている人たちが、「先生」と呼んでいました。あの人は、教える人なのですか。人の言うことをさえぎって、どんどん喋っていて、ほかの人に最後までしゃべらせない人で、先生みたいにみんなの言うことをよく聞いてくれないけど、その人がいちばんテレビにいっぱい映っていて、司会の人たちも「ハマコーさん」にたくさん喋らせようとしているみたいでした。
 たしかに、「ハマコーさん」の言うことは、おもしろいと思いました。でも、ほかの人は、あんまり最後まで言いたいことをいえなかったみたいだけど、いいのかなあと思いました。
 でも、おもしろかったので、最後まで見ていました。

学習
 午前中に、決算についての打ち合わせを、チームでしました。30分ちょっと、と思っていたら、2時間くらいあって、おもしろかったけど、ぼうっとしてました。
 いろいろやることを決めました。少し不安です。
 決算書は、また赤くなるみたいです。そうなるかなあと思ってはいたけど、やっぱり、黒い決算書がつくりたいなあと思いました。
 その前に、今日は、全体朝礼がありました。眠くてくらくらしました。長い話があったけど、あんまり話を聞くことがないいちばんえらい人の話をせっかく聞いたけど、ああいう話をきいて、毎日外に出かけてお客さんと会う仕事の人たちは、やる気が起きるのかなあと思いました。やっぱり、「よくやってるね。」とか、言われたほうが、楽しいです。でも、それだけじゃだめなんだろうと思うけど、いちばんえらい人は、あんまり私たちのところにはいないので、どうでしょう。「報われた。」と思える瞬間がないと、心はぱさぱさに乾いていきます。「報われる」瞬間を、できるだけみんなで、一緒にいれたら、もっといいのになあと、思いました。
 さっきも書いたけど、今日はとても眠かったです。かぜ薬を飲んだからみたいです。
「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな!」という言葉をきいたことがあって、あれは、かぜ薬のことだったんだなーと思いました。あんなに眠いときに、車に乗ったら、車で寝たら、大変です。
 でも、前に椎名誠の本の中では、「飲んだら吐くな! 吐くなら飲むな!」と書いてありました。そのころ、椎名誠とお友だちたちはビンボーだったので、飲んだものを吐くのは、とてももったいないと思っていて、いっぱい飲んで、だれかが気持ち悪そうになっていたら、みんなでそう叫んでいたそうです。それは、お酒という飲み物のことみたいです。飲んだことがないから、私にはよくわかりません。

反省
 今日は眠くて頭がぼうっとしていたら、お隣の子が、おうせつ室にお茶を出したりする仕事を、ぜんぶやってくれました。とても、ごめんなさいと言いました。おとなりの子は、わたしよりあとに入ってきたので、私には遠りょしているときがあるみたいで、いいんです、全然、いいんです、と言っていました。でも、いつもは、明日からは、またちゃんと、二人で半分こでやりたいと思いました。

先生の欄
 エミさん、風邪をひいてしまったのですね。今日は本当に眠そうでしたね。明日からはまた少し寒くなるようなので、体調管理に努めて、早く元気になってください。
 いろいろな事をやりたくて遅くなってしまうのもわかりますが、夜は少し早めに寝るようにしましょうね。

 今晩は、エミさんには珍しく、テレビ番組を最後まで見たのですね。テレビには必ずスポンサーというものがあります。テレビ番組を作るためのお金を出している企業です。お金を出してもらっているほうは、お金を出してくれる人に、やはり気を使わなければならない部分があります。エミさんが書いていた「おもしろいハマコーさん」が他の人よりたくさん映っていたのも、その辺と関わりがあるかもしれません。
「ハマコーさん」以外にも、先生と呼ばれるような人はいるんですよ。どんな職業なのでしょうか?

 全体朝礼の話は長いと感じるかもしれませんが、月に一度ですからしっかり聞くようにしましょう。エミさんが書いたように、疑問を持ちながら聞くのもいいと思います。ほかの人は、どのような気持ちで聞いていたのでしょうね?

 興味を持ったら、それを心に留めて、ほかのものも見てごらんなさい。あるいは、調べてみたり、人と話したりしてみるのもいいでしょう。エミさんががっかりするような結論になってしまうかもしれないけれど、私たちが生きている世界にはそういう側面があると知ることも大切です。そして、どんなことも、「いい」「悪い」と、はっきり決めつけてしまわず、いいところも悪いところも知って、どうしたらいいのか少しでも考えてほしいと思います。

 今日のエミさんの文章についてですが、書き出しを工夫したいと思う気持ちが伝わってきました。しかし、二段落目の始まりは、文章としては少しおかしいですね。おそらく、一文目を強調したかったのでああいう書き方をしたのでしょう。エミさんは分かっているかもしれませんが、作文の時間に書くときには、あのような書き方では減点の対象になってしまいます。先生としては、エミさんの工夫しようという気持ちに、加点したいところですが。
 難しい漢字を使ってみたかと思うと、簡単な漢字がところどころ平仮名になっていますね。エミさんの性格が出ているようです。文章全体を同じトーンで書くと、落ち着いた印象になりますよ。
 一つの文章をもう少し短くすること、句読点や接続詞の使い方にも、今度は気をつけてみてください。
このあたりは、またおいおい、一緒に勉強していきましょうね。


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 マーブルに貸してもらった、長野まゆみ『学校ともだち』(河出文庫)の形式の真似っ子です。
 とても面白い本だった。この本の感想については、また後日書きたいと思う。





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