moonshine  エミ




2003年02月06日(木)  言葉に力。偉人は語る。

 仕事。時々、おいお〜いッてくらいに、なんもかんも同時に迫られることがある。
 今が、それ。
 まあ、私のチームは月初は基本的に忙しいのだが、今日は久々に8時半過ぎまで会社に居残った。
 昨日は飲み会だったし、肩こりはひどいし。きつい。
 
 9時過ぎの夕ご飯になってしまうときは、だいたいNHKをつけている。
 残業で疲れて帰ってきて、ドラマとか、バラエティとか、もういいよ・・・て感じになってしまうのだ。
 今日もそのようにしていたら、9時15分から、テレビ50周年の特番が始まった。
 いろいろな分野の有名人たちが、テレビで伝えた言葉を紹介していくもの。
 なんて私ごのみの番組!!
 
 政治家。吉田茂、池田勇人、田中角栄。
 画家。豪放磊落な横山大観。素朴でナイーブな山下清。
 作家。川端康成。吉川英治。
 スポーツ選手。円谷幸吉。長嶋茂雄。野茂英雄。
 ご婚約当時、ふっくらとした美智子妃。
 元日本兵、横井庄一。
 芸能人。笠置シヅ子。若き日の黒柳徹子!
 ノーベル化学賞受賞、湯川秀樹博士。
 田中幸一さんも出たけど、ワイドショー的な切り口じゃなくて、彼の研究者としての希望ある言葉を取り上げてたので、ほっとした。
 
■三島由紀夫
「いまや、美しい死、英雄的な死というものはない時代である。
 自分は何か、人の心に残る死に方をしたい。
 いつもそう思いつつ、結局は自分も平凡な死を迎えるだろう」
 割腹自殺の4年前、カメラの前で語った言葉。
 江戸時代の書物「葉隠」に言及していた。三島が書いた『葉隠入門』、大学のときに読んだ。衝撃で、泣いた。
 目が怖い。淀みなくしゃべる。刃物みたいな顔。

■井伏鱒二
(この時代、何をすべきか? というような話題)
「書けばいいんじゃない?」
 とにかく書く。作家だから。明確な答え。

■手塚治虫
「若い頃は、円をきれいに簡単に描けた。
 でも、今はもうダメだね。絵が描けない、というのが一番の悩み。
 アイデアは、バーゲンセールするくらいにあるのに」
 50代くらいの頃の映像か?
 誰もが認める大漫画家になってて、この自己批判。これが芸術家というものだろうか。

■本田宗一郎
「日本に革命を起こしてきたのは、若いエネルギーだ。
 老骨ばかりになっては、国は枯れる」
 ご自分も既に老年にさしかかっているのに、このセリフ。かっこいい。

■瀬戸内寂聴
「今を切に生きること」
 切に生きる。なんて作家らしい、ピシャリの言い回し。この人の言葉が本当に好き。

■司馬遼太郎
「これからの時代は、真心ですね。
 人の痛みを、身につまされるように感じることができなければ」
 彼のこういうところが大好きで、時に影響力が大きすぎて少し困る気がする。もちろん『竜馬がゆく』は私の座右の書のひとつ。

■坂本九
(“上を向いて歩こう”が世界でヒット)
「自分の歌が、こんなにたくさんの人に歌われるなんて夢みたい」
 あまりにも明るい笑顔、言葉が、せつない。

■小沢征爾
「これは本当に、テレビに向かって言いたい。
 音楽に国境なんて、本当に全然関係ない。
 日本人だって、絶対にいける。私はそう信じている」
 この人を見ると、いつも少年みたいに純粋な、まっすぐなエネルギーを感じる。

■宮崎駿
「たった一時間が、一生、心に残るような経験になる、それが子どもの頃というもの」
 この人も少年。不良少年。でも、とても照れ屋さん。
 ボサボサの髭で、いつも煙草を持っていて、ぶっきらぼうな言葉、へへっと照れくさそうな笑顔の、頑固モノ。

■美空ひばり
「最近、本当に思うんです。日本に生まれてよかった。
 それは、日本の歌を、歌えるからです」
 涙ぐんで、ゆっくりと語るひばり。なぜかここだけで、私まで泣きそうになるくらいに感動した。

 記憶はポロポロこぼれ落ちていくし、私の「感動の中心」をもとに書いていくので、少しニュアンスが違うかもしれないけれど。
 大事を為した人の言葉は、短くても抜粋されていても何と重く、心を揺さぶり、拭いがたい印象を残すことか。
 疲れていた心が、静かに、あつ〜くなった。

 なんかそれでもう大満足して、今日は『美女か野獣』はもういいな、と思って見なかった。

 『美女か野獣』で思い出したんだけど、
 今日、同僚が「憧れの女の人」として、このドラマの松嶋菜々子や、『きらきらひかる』のときの鈴木京香、松雪泰子などを挙げていた。
 なるほどな〜、とその子の私服などを思い描いて納得。
 好み、憧れって、誰にでもあるよねえ。

 それでふと、自分のことを考えてみたんだけど、私も上記の三つの役柄は大好きで、かっこいい女の人ってかっこいい(日本語が変。)と思うのだけど、
 服装や雰囲気は、松嶋菜々子だったらキリンのCMのかわいらしかったり優しげだったりのほうが、好きかもしんない。

 『外柔内剛』て四字熟語が、思い浮かんだ。
 そう、この言葉、ふと考えるとけっこう好き。
 見た目はキメすぎないほうが好き。
 むしろ、ちょっと油断させちゃくらいで、いきたい。
 もちろん、面白いこと、ばかばかしいユーモア、大好き。
 でも、私の好きな言葉は、
「問題意識」「自己批判」「羞恥心」「No Pain,No gain」等々・・・。
 中身の芯のところは、硬派とか、もしくは無頼派とか、
 そういうものを持っていたいと思ってる。
 そとみがカッコよくて中身がカラッポ、というのが、まあ当然だけど一番ダサいと思ってる。
 
 まあ、まあね。自分はカラッポ、見かけ倒しじゃないかと言われれば、もちろん胸を張って否定するとこまではいかないにしても。
 我、いまだ途半ば。
 大人の階段を上るシンデレラ、とも言う。

 しかし、疲れた。郵便物がたまってるけど、開封は週末だな・・・。





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