moonshine  エミ




2003年01月26日(日)  言魂〜コトダマ〜

 特にこれといった理由もないが最近はいていないズボンがある。 
 3年以上前に買って、けっこう気に入ってて季節なんかに関係なく愛用してたのだけど、ここのところ、どうしてか遠ざかっていた。
 今朝の夢に、そのズボンが出てきた。
 脚をとおしてみて、びっくりした。
 ズボンは、擦り切れたように生地がうす〜くなっていて、裾とかいろんなところが破れてて、急に色あせていたのだ。
 
 目が覚めてみると、そこんとこしか覚えてない。
 
 ビデオに録っておいた『千と千尋の神隠し』を、母親と見た。
 おととしの夏に劇場で見て話の筋は覚えていたけど、2回目だから自分の中で納得いく解釈ができたところもいくつか。
 まだよくわかんないところもいくつか。
 いや、別にいいんです。わかんなくても。わかっても。
 おもしろいよねー、この映画。
 そしてオドロオドロしい。
 かなり寓話っぽいけど、あんまりお説教くさく感じないんだ、私は。
 
 風邪っぽいかも。

 アイスクリームマンのCDを、MDにダビングする。
 明日の通勤はこれに決定! うわーい。

 くじらに『ヴェロナァル』という曲がある。
 
「ざわめきだけがはばたく
 闇に飛ぶよ つばめたち
 話の予感があるのに 僕は眠ってしまうの
 もう何も語らずに もう歌うことは忘れて
 おまえは小さいのだから
 おまえは小さいのだから」

 考え始めると、なんだか難しい詩。
 ギターのベース音に、すごい重みがある。
 ・・・ちょっと怖いんだよねぇ。
 優しいんだけどコワい、みたいな。そこがこの歌の好きなとこでもある。
 初めて聞いたとき、ぞくっとした。
 
 タイトルの『ヴェロナァル』って、なんだろう?とは前から思っていて、マーブルに
「睡眠薬の名前」
 と聞いた瞬間、またまたゾクッとした。
 そう、そうだった! 芥川龍之介も用いた睡眠薬だ・・・!  
 芥川はベロナールとヂャールを大量に飲んで、自殺した。
 北村薫の『六の宮の姫君』を何度も読んで、知っていたはずなのに。
 ああ、杉林さん、これはどういう詩なのォ?!
 いや、自殺とかに関係ある詩だとは全然思わないんだけど、妙に、妙にゾクゾクするよー!

 数日前に読んだ芥川の『芋粥』、やっぱり、すごい。
 泣き笑いしそうな小説だ。
 芥川の文章は、怖いくらいにピンとしてる。
「芋粥」を書いたのも、24歳。
 やっぱりこれが天才というものか・・・。





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