moonshine  エミ




2003年01月15日(水)  街の中の公園

 パソコン上で日記を書き始めて、もうだいぶ経つ。
 原稿用紙に換算したら、どれくらい書いたことになるんやろ?
 いい加減、自分の文章がイヤになってくるときがある。
 イヤっていうか・・・飽きるんだよね。自分の語彙に。展開もパターン化されてるし・・・。
 こう、(自分にとって)目新しい、ハッとするような語彙が、ここぞ!というところで使えないものだろうか。
 かといって、人の文章を読んで「あ、このフレーズ、いい感じ」と思っても、それを自分のモノにしないうちにそのまま使うのも、なんか面白くないし・・・。
 語彙とか文体って、積み重ねだよねー。
 なにも難しい語彙、奇をてらうようなボキャブラリーが欲しいんじゃなくて、平明でも、こう、ハッとしてグーって感じの、ピシャリくる語彙が欲しいのよ。もっと。もっと。
 
 ああ、くだらないこと書いてるな。

 いま、家で読んでる本は、『天皇家の人々』(神一行 角川文庫)
 電車本は、『海の鳥 空の魚』(鷺沢萠 角川文庫)
 どちらも読み返し。

 昼間、検定の合格証を受け取るために、商工会議所まで歩いて行った。
 朝がたに、みぞれでもあられでもない、でも水分の多そうな雪が降ったけれど、会社を出ると青空も覗いてた。それほど寒くもない。でも、制服の上からコートを着込み、しっかりマフラーも巻いて、外へ出た。
 目的地までは、会社から、徒歩10分あまりだ。
 道々。大通りには、みんな耳にしたことがあるような会社の名前が入った大きなビル。そこから一本、道を中に入ると、無数の雑居ビル。大小いろいろな会社や、会社員向けの居酒屋や定食屋や喫茶店が入ってる。
 生活の匂いのあまりない、まして子どもの気配なんてない町だ。
 ぽつんと、小さな公園があった。
 なにげなく突っ切ろうとして、私は背が低いくせにけっこう猫背で、視線はいつも地面なので、ふと、気づいた。
 公園、ベージュに舗装された地面に嵌め込まれて一体化した、枕くらいの大きさの石。童謡が刻まれていた。
「ゆきやこんこ あられやこんこ・・・」
 あら、今朝、福岡では珍しい雪が降ったばかりなのに。なんで雪のこと?こんな偶然って?
 そうして、今度は視界を広くもって、ゆっくり公園を歩いてみた。
 いろんな石に、いろんな歌の刻印があった。
 なんだかじんわりした。
 公園イコールいいものだ、なんて、そんなふうに割り切れるものじゃないとしても。
 こうやって、見つけた人がほんの少し、優しい気持ちになることを、ほんの少しくらいは願われて作られたんだろう。
 でも、午後2時、冬のちょっとの晴れ間でも、相変わらず子どもの姿とか、のんびり日なたぼっこする人とかはいなくて、公園はしんとしてる。
 青いビニールやダンボールが、ここに住んでいる人がいるって、教えてるけれど。
 何枚かシャッターを切って、会社に戻った。





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