moonshine  エミ




2002年05月18日(土)  弱さ

 金曜日は、部署の人々と飲み会。
 5人とも同じ大学出身だからか、六本松(教養部のキャンパスがある)での飲み会になる。

 あっ今日は、いつもにも増して個人的な日記になる予感だから、ささっと読み流しておくんなせ。

 中に一人、教育学部出身で、やけに人の分析をするのが好きな30代半ばの男性がいる。その分析の仕方も決して「わかったようなこと言わないでよ」という感じではなく、好意という前提に立った分析、というのだろうか、良く言われても悪く言われても何となく納得してしまうので、私はこの人の聡明さやユニークさ、話の中で見え隠れする彼自身の頑固さと繊細さが好きなのだが、彼が言うことには、
 私は「相方の話をするときは、妙にシビアな顔つきになる」らしい。
 酒の席ともなると、まあ自然と一度や二度は彼氏について話題を振られることもあり、隠し通さなければならないことでもなければ、変にノロケたりするのもいやなので、それなりに気を遣って話しているつもりなのだが、そういうふうに言われたのは初めてだった。
「もしかして何か、迷ってるの?」と聞かれたので、ほろ酔いの頭で「いやーそんなことないですよ。でも、付き合いが長くなっても、いつか迷うこともあるだろうっていう気持ちを忘れたくないし、若いんだから、あんまり馴れ合う関係はいやだし」とかなんとか、よく分からないことを答えていた。
「ほらねー何か、泣き出すんじゃないかって顔に見えるんだよねー 
 でも、○○さんて(私のこと)仕事以外の場所でポロポロって泣かせてみたいタイプだよねー」(←セクハラ? 笑)
 と、その場は笑いに包まれて終わったのだが、なんかその後も、言われたことについて、考えざるを得ない事件が起こってしまった。

 迷っているのかと聞かれれば、そんなことはないのだけれども、私は、相方の変わらなさが本当に好きで、それでいて時にイヤになっちまうんだよね。
 人の痛みにすごく敏感で、周囲の人に対して優しくてあたたかい気持ちをもっている人。人間性は素晴らしいんだけど、あたりまえのことをやらないことがどんなに周りを失望させるか、まだ気づいてない。「現実のきつさ」にまだ出会ってない。
 この日(土曜日)喧嘩してしまったのだけれど、その喧嘩の原因そのものも悔しくて呆れたんだけど、彼がちっとも変わらずにいることが本当に悲しくなってしまったのだよね。
 人間的な弱さを見せられると、愛情も湧くけどやっぱり不安になる。
 相方と私は、ベタベタ始終いっしょにはいないけど、それこそ他人には説明できないくらいの仲良しさ加減だと思うし、今のところ「パートナー」なのだから、イキイキしてない人と一緒にいると何だかこっちも損をしているような気持ちになってしまう。
 
 そんなこんなで暗澹とした気持ちになった私は、本屋で本をヤケ買いして、講談社文芸文庫という超マイナーなところから出ている坂口安吾の本を読みふけったのでした。
 
Mail Home

BBS blog


<< >>