どもっ、翔です。 新作、考えました。
まだこれはアイディア段階なので、ぜんぜん変る可能性もあるのですが、興味がある方、ちょっとよんでみてください。
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王立学院小奇譚? (仮)
「ここが今日から私の通う王立学院なのねっ」 リリアは目の前にそびえ立つ国内最高峰の学舎を目にして感動の涙を流していた。 それもそうかもしれない。この学院に入る為には多大な才能と努力。そして幸運が必要なのだ。 一万人に一人と言われる確率を乗り越えて辿り着いたこの場所は努力の結晶の証なのだ。 ましてやリリアは若干十六歳。この年齢で学院に入学出来るという事は、相当な才能と幸運が必要なのである。 「よーしっ、がんばるぞぉ。うんっ。さぁっ、いざゆかん。荒波の海へ!」 好きな芝居の台詞を呟きながら校門を潜る。 その瞬間だった! グゥォンンンン!! 突如、爆音が響く! 「え、え、えっ。な、なに!?」 何がなんだかもわからずに、辺りを見回す。 同時に、その声は響いた。 「そこの人、それを捕まえてくれ!」 「え、え、えっ」 慌てながらも声に従って、目の前に跳ね飛ぶ何かを捕まえる。 むにゅ、となま暖かくぬとぬとした緑色の物質が手の中にあった。 蛙。 蛙である。それ以外の何にも見えない。 「……きゃあああ!?」 思わず蛙をどこかへ投げ飛ばした瞬間。 「ああっ、なんてことを!」 男の声がしたが早いか。 グゥォンンンン!! 再び爆音が響く!! 「え、え、えっ!?」 思わず音をした方向を見つめると、蛙。 蛙がそこにいた。 「ああっ、遅かったか……。くそっ、十歩飛ぶたびに爆発するエクスプロージョン蛙は失敗だった」 声と共に白衣を着た黒髪の男が、がっかりとした様子で無惨に飛び散った蛙の残骸を見つめていた。 (こ、この人なんなの!?) リリアは思わず男から距離をとりながら、遠巻きに学院の中へと入っていく。 「あの人も生徒なのかな……? 天才と変人は紙一重というけど、中にはあんな変な人もいるのね。はぁ」 小さく声を漏らしながら、それでもなんとか校舎へと向かっていこうとする。 そして校舎の入り口を潜ろうとした途端。 「きみっ、だめだっ。そこから入ったら!!」 再び声が掛けられる。さっきの男かと思ったが、しかし先程の男よりも澄んだ声をしていた。 しかし振り返るよりも早くリリアは入り口へと踏み出していた。 途端、頭上から 同時に幾本もの矢がシュタタタ!! と言う音と共に降り注ぐ! 「な、なにっ、なんなのっ。なんなのこれっ」 あわや蜂巣状態になる一歩手前で、リリアは唖然としたまま口を開いている。 「危なかったね。こいつはトラッパーの仕業だ。君は新人だね。この学院のありとあらゆるところに罠が仕掛けているから気をつけた方がいい」 金色の髪をした男が、にこやかに微笑みながら手を差しのばしていた。 「あ、ありがとうございます」 素直にのばされた手をとったその瞬間。 ぐっと突如ひきよせられて、包むように抱きしめられる。 「え?」 「さぁ、こんな危ないところはやめて、僕と桃源郷へいこう。なぁに最初は辛いかもしれないが、だんだんと心地よくなるから安心してくれていい」 男はにこにこと微笑みと浮かべたまま、ぐいっとリリアを抱きかかえていた。 「ええええ!?」 何がなんだかわからないまま、リリアはただ声を上げていた。 「こーーのーーっ、スカターーーーーン!!」 その瞬間、大きく声が響く。 刹那、男の背中から一人の女の子が蹴りを喰らわしていた。 「ぐぉっ」 「あんたねっ。女の子とみると、無理矢理連れて行こうとしてっ。いいかげんにしろっ!」 その女の子は大きく声を張り上げると、まだリリアから離そうとしない手をひっぺがしていた。 「大丈夫? 怪我はない?」 優しそうに微笑む少女。 「だ、大丈夫です」 リリアはほっと一息ついて、ぺこりと頭を下げる。 (よかった、ちゃんとまともな人もいるんだわ) もしもこんな人達しかいないのならば、この学院に入る事を考え直していたかもしれない。 「うんうん。あなた新人ね。ここの人はね、変な人が多いからね。気をつけた方がいいわよ」 「は、はい。ありがとうございます」 「うん。じゃあ、そんな訳で銀貨五枚」 にこやかに微笑みながら、リリアへと手を差し出している。 「え?」 「だーかーらー、銀貨五枚だって。いまの助け賃」 「えええーっ!?」 思わず叫んでいた。 そして心の中で訂正していた。 (ここには変人しかいないんだわ……) と。
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ど、どうですか? 面白いですか?? ちなみに名前もまだ仮名です(笑)
ううーん。読みたいという声があがったらいいなぁ・・・(笑)
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