500文字のスポーツコラム(平日更新)
密かにスポーツライターを目指す「でんちゅ」の500字コラムです。

2002年04月30日(火) 原石とブリリアントカット

 先日初勝利を上げた寺原。私は正直、「松坂の1年目のようにはいかないだろう」と思っていた。原石の魅力は感じるもののまだまだ力任せで、インサイドワークを含めた完成度は比較にならないと思ったからだ。だが、プロに入ってからの進歩、いや進化は目覚しい。
高校時代のようにフィニッシュで崩れたりしない、力みのないフォーム。覚えたてのチェンジアップを有効に使った緩急自在の投球も堂に入っている。注意深い人は気づいていると思うが、投球の始動段階で、寺原は一度軸足に体重を「感じてから」投げている。これによって、投げ急ぎや上体の突っ込みも消えた。間をとることで、打者を観察するゆとりも出てきた。公式戦わずか2試合目。高卒新人で4月に勝ち星というのは、やはりただものではない。
安定した投球で早くも5勝目を挙げた松坂は、ブリリアントカットの輝きを一段と増している。ともに「平成の怪物」と言われる2人の直接対決を、一日も早く見てみたいものである。


パ・リーグだって面白い!(4/30)

 今年は、阪神の快進撃などもあってセ・リーグばかりが話題に上っている感が強いが、どっこいパ・リーグも色々面白い。去年優勝した近鉄のローズは、早くも12本塁打。このままいけば、シーズン終盤には再び新記録への挑戦が期待される。序盤で11連敗と大きくつまずいた千葉ロッテも、その後何とか持ち直してきた(ただし、今日負けて再び4連敗となってしまったが…)。小笠原の4割をはるかに超える打率も驚異的だ。そして、上段で触れた松坂の「新ストライクゾーン仕様」のピッチングも実に見事である。
 元々「松坂ゾーン」と言われるぐらい高めの速球を武器にする投手には有利な変更だが、環境に素早く順応し、新ゾーンを使いこなすのも、松坂のインテリジェンスのなせる業。並みの速球投手ではこうはいくまい。松坂は今年20勝する。私はそう確信している。


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