つたないことば past|will
明け方にぼんやりと君の声を聞いた気がして、まだ暗い外に飛び出した でもそこに君がいるはずなんてなくて、悲しくてうなだれる いつからか僕は君の声にとても過敏に反応するようになって それが忍びだから、教師だからという理由ではないことを知ったのは だいぶ後だった 君の声を求めて僕は暗がりを進む それでも彷徨えば彷徨うほど君の声は聞こえず 思い出そうとすれば思い出そうとするほど君の声を忘れた 君はどこへ行ったんだろう 君は何を求めたんだろう 君のことを何も知らない僕はどうして君を求めるんだろう どうして君の声を求めるんだろう 理由も知らず僕は歩きつづける
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