1月1日。私は故郷へ運んでくれる電車に揺られながら 目をつぶり、考えた。今年も無事年が明けたな、と。 それは、毎年年を越す度に思う事。 そう大層な生き方をしているわけでもないけど、 毎年年が明ける時は感謝の言葉を発してしまう。 そして世界中でお祝いの言葉が交わされる。 誰もが飛び切りの笑顔になって、おめでとうと声を 掛け合う。普段仲のいい友達や仲間も、この日ばかりは 少し改まって、昔ながらの言葉を交換する。 久しく会ってなかった家族に会える。友達にも。 昔は電話で。今はメールで、皆が皆を思いやる日。 お正月は特別な空気が流れて、私にとってはとても大切な日で。 それはきっと世界中で新しい日を笑顔で迎えた人全てに 大切な日で。ならば、その思いからはみ出してしまった 人達はどうなるんだろう。毎年無事に新しい年を迎える私とは 違う思いで生きている人が世界中にいる。新年から重く暗い事を 考える私は、それでもそれは事実であってそれを感じる事は大切な 事なのだと、自分を正当化してあげる。 いまだ戦地で新年を迎えた人がいる。彼はもう何年目だろう。 子供達の涙が乾く事ないその土地で、子供達の命を刈り取る 爆音が鳴り止む事はない。あの子の将来の夢は何だったろう。 忘れてはいけない事がある。年を越える度に増える痛みがある。 2006年、新しい年。希望に満ち溢れた日は始まったばかり。 あけましておめでとう。今年こそ、世界中が平和へ近づきますように。
日本のお正月−アケルソラ
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