夏の終わりを風が空が空気が、そして季節が 次の訪れを教えてくれる。 誰かのブーツや腕を包む長袖。 目を楽しませてくれる小道に咲いた コスモス。夏は静かにその幕を閉じていく。 なぜか夏の終わりは寂しくて。 静かに音を立てる線香花火。 その小さな光が目に痛くて。 季節は巡る。日本は美しい四季に彩られた国。 だからどの季節も美しさと楽しさと 興奮と緊張をもたらしてくれる。 だけどどうしてだろう。夏だけは終わりが 寂しくて仕方がない。 遠くの、感じるはずもない夏らしさの一瞬に その終わりを感じて空気を吸って、切なくなる。 ガチャリと扉を閉めるように夏は終わる。 そしてまた来年力強く扉を明けるように 夏は来る。寂しくなってる暇もないくらい きっとそれはあっという間。 余韻はきっと次の季節への掛け橋なのだろう。
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