季節が変わる空気があります。 ちょっと前に感じだそれより遥かに確かな 秋の訪れを感じる日。 自然の理に人間は少し鈍くて、 早々と感じる事の出来る虫の音が その訪れを教えてくれる。 カーテンを開いて窓を開ければ、 夏の始まりと違った鳴き声を彼等はあげる。 これが最後と言わんばかりに切ない音を残して。 そういえば吹く風はその鳴き声に合わせるかの ように少し冷たい。 肌をちょっと出しすぎたかなと、冷房の効きすぎた 電車の中で思う。結構同じ事思っている人が 多いかもと足元に目をやれば、 鮮やか過ぎるマニキュアの色が夏の名残を落としてる。 残暑の少し前。一番過ぎ行く季節を感じられる時。 夕暮れの空に目を上げれば渡り鳥が飛んで行った。 そして道端に見つけた心もとない姿の子猫。 生まれたばかりのその姿は愛くるしくてたまらない。 移り行く季節の中でその命はとても輝いて見えた。 町は最後の夏祭りの準備に終われていて。 人々の笑顔もなんとなくそういうのを分かっている 笑顔に見えて。私はちょっと切なくなる。 そして唐突に大好きな人の声が聞きたくなった。 私も夏の名残を惜しんでるのかもしれない…。 今日は何だか笑顔が零れる一日でした。
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