久しぶりに帰って来ました。 いつも舞台明けは更新がとっても滞ります。 余韻に浸ってるって訳でもないはずなんですが…。 疲れたってのもちょっと違う。確かに疲れてはいますが。 でもやっぱり余韻に浸ってるって方が近いかな? 気持ちが、気を抜くとそっちの方へ帰りたがってしまって。 現実社会に適応出来ない自分がいて、ダメだなって思ったり。 本番中の事をよく思い出します。稽古中の事はほんのりと。 やっぱり本番中が多いです。でも本番中っていっても演じてる 時よりも、その日の朝の事とか楽屋で話してた事とか。 そういう方がより多く思い出されたりします。 初日は、いつもとても特別で。緊張と興奮をかかえながら 劇場までのんびり歩く。知らない店からいつかの曲が流れてく。 あぁ、あの芝居はこうだったなって過去の記憶にちょっと 切なくなって。そう思いながら空を見上げれば文句なしの 青空が広がって。今日は天気予報じゃ雨だったはず。 天まで見方につけたらこりゃ凄い航海が出来そうだなんて、 ちょっとした感傷を自分自身で足蹴にする。 でもそんなのもわりと気持ちがいいもの。 感傷に浸ってる場合じゃないけど、それも悪くない。 あの頃があるから今があるんだ。もうずいぶんと遠くまで 来たような気がするけど、先はまだ長くて。 そんな考えにやっぱりまた切なくなって嬉しくなる。 記憶というのは勝手なもので、どうしたって心を切なくする。 楽しくて仕方なかっただけの思い出なのに。 過去は変わらないし戻ることがないから、そう思うのか。 そして振りかえれば懐かしくて大切だから歩き出せるのか。 初日の朝はそんな風に心を賑やかにしてくれる。 そうして僕らの航海は幕を開けた。力一杯の笑顔と共に。 そして同じように幕を閉じた。今はもう一番近い、遠い過去。 早速胸を切なく揺さぶるあの日々は、いつかの未来へと繋がってるはず。
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