快賊日記「funnyface」

2003年03月12日(水) さすらい

久しぶりに帰って来ました。
いつも舞台明けは更新がとっても滞ります。
余韻に浸ってるって訳でもないはずなんですが…。
疲れたってのもちょっと違う。確かに疲れてはいますが。
でもやっぱり余韻に浸ってるって方が近いかな?
気持ちが、気を抜くとそっちの方へ帰りたがってしまって。
現実社会に適応出来ない自分がいて、ダメだなって思ったり。
本番中の事をよく思い出します。稽古中の事はほんのりと。
やっぱり本番中が多いです。でも本番中っていっても演じてる
時よりも、その日の朝の事とか楽屋で話してた事とか。
そういう方がより多く思い出されたりします。
初日は、いつもとても特別で。緊張と興奮をかかえながら
劇場までのんびり歩く。知らない店からいつかの曲が流れてく。
あぁ、あの芝居はこうだったなって過去の記憶にちょっと
切なくなって。そう思いながら空を見上げれば文句なしの
青空が広がって。今日は天気予報じゃ雨だったはず。
天まで見方につけたらこりゃ凄い航海が出来そうだなんて、
ちょっとした感傷を自分自身で足蹴にする。
でもそんなのもわりと気持ちがいいもの。
感傷に浸ってる場合じゃないけど、それも悪くない。
あの頃があるから今があるんだ。もうずいぶんと遠くまで
来たような気がするけど、先はまだ長くて。
そんな考えにやっぱりまた切なくなって嬉しくなる。
記憶というのは勝手なもので、どうしたって心を切なくする。
楽しくて仕方なかっただけの思い出なのに。
過去は変わらないし戻ることがないから、そう思うのか。
そして振りかえれば懐かしくて大切だから歩き出せるのか。
初日の朝はそんな風に心を賑やかにしてくれる。
そうして僕らの航海は幕を開けた。力一杯の笑顔と共に。
そして同じように幕を閉じた。今はもう一番近い、遠い過去。
早速胸を切なく揺さぶるあの日々は、いつかの未来へと繋がってるはず。


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