快賊日記「funnyface」

2002年10月18日(金) 不自由な体

私達は言葉を持っている。
だから意思を伝えるのは至極簡単。言えば、いい。
でも言葉を持たない動物はどうしてるんだろう。
よく動物同士は会話が出来るという人がいる。
鳴いてる声は会話なのだと。そうなんだろうか?
そりゃ鳴き方で多少の事は伝わるのかもしれないけど。
それでもはっきりとした言語をもった人間にくらべると
ずいぶんとそれは不自由に思えて。
それだけじゃない。何たって陸の動物達は四足歩行だもの。
その姿は愛らしくて仕方なくて、うちらをそりゃもうメロメロに
してしまうけど。けど、やっぱり不自由そう。
大空を自由に駆け回れる鳥たちだって、何て素敵と思うけど
嘴が彼らの食文化を狭めてる気がする。溺れ死ぬ心配のいらない
魚達。あんな風に泳げたらといつも羨ましく思うけど、
手足の自由のない体はいただけない。そう考えると万物の霊長で
ある人間はなんて自由。それなのに、この体を持った人間達は
何て不自由に生きているんだろう。国境を作り世界を狭め、
人種を作り出会いを減らす。切り売りするみたいな愛情と
切り取られて行く情熱と。繰り返す争いと終わらない口論。
せっかくの言葉は何のためだろう。真実を言う口はいつも塞がれて。
二本もある両の手は何のためだろう。広げた分だけ何かを包み込み
その分だけ何かを作り出す事が出来るのに。
真っ直ぐ伸びた両足は何のためだろう。大地を踏みしめ前に進める
はずなのに。救われない誰かのため、ふんばる事が出来るのに。
例えば人間なんかよりもずっと万能な生き物がいないとしても、
一番不自由なのは自由な体をもった人間かもしれない。


 < 過去  INDEX  未来 >


快賊船 [HOMEPAGE]

My追加