泳ぐにはまだ早い、でも気の早い薄着も悪くない、そんな季節。 「祭りのあと」は初夏の風を快賊船に運んで来た。 思い出せばどうしても切なくなる、あの夏のあの思い。 あの夏は本当に存在したんだ…そう思わせる芝居だった。 まるで一年に二回、夏を経験したような…そんな芝居。熱くて切なくて 必死で、振り返ればちょっぴり寂しくて…風化する事なく思い出される思い。 それまで独壇場でうちらの海をひた走って来た快賊船も、 前回の意欲作(?)により、気づいた事がありました。 それは思ったより皆の受け入れ態勢がどでかいな、と言う事。 懐のでかさにニヤリと笑い「あ、何でもいける口?」とか思ったり…。 そう思ったらさらにゆとりが出てきまして、「じゃ、軽く遠征といきますか?」 そんな訳でちょっぴり視野の広くなった快賊船は、高波に誘われて おうおうしく新たな海をこぎ出した。海育ちのせいか波に乗るのは結構得意。 そうね。大丈夫。うちらの思いも夢も希望もその果ても…たまには 風の吹くままに。例えば誰かにあずけてみたり…?そう思わせるに十分すぎる 深く広く心地よい海だった、そこは。 そう思ったら自然と出来た優しい話。最近続いたハードなスタイル。 でも夏だしね。これから何かいい事おきそう!な話なんてどうでしょう? うちらには珍しく、そして久しぶりなLoveStory。でもうちららしくね。 そこには人の生き死にも織り交ぜちゃったり。でも重くなりすぎないように 笑えないエピソードを笑い飛ばして。気が付けば夏特有の…あの夕暮れ時の 切なさが胸を締め付ける…そんなStory。演じたうちらの心と同じ、 この話の根本に流れるテーマは「願い」。 見てくれる人達に気持ちを全部あずけたうちらの心。届きますようにと うちらは「願う」。同じように願う…彼等は。 思いが届くように。すべてがうまく行きますように。あの人が幸せになれます ように。自分を忘れないでいてくれますように。そしてこの思いがなくならない ように…「願う」。そして行き着く先は新しい始まり。 「祭りのあと」はうちらにまたスタートラインに立つ事を教えてくれた そんな作品。だから、色あせない。だから願う、今日もまた。 目が利くようになったら、何だか船が小さいんじゃない? 次の航海はこんなんじゃ積みきれない。そりゃだって広い海に出りゃ、 でかい船が必要でしょ?だって次は、あの!「LUCK SHOW」!! 結局どこでだって、うちらはどでかい花火を打ち上げたいだけ。 まあ、いい。とりあえず笑って行こう。この航海はまだまだ終わらない。
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