衛澤のどーでもよさげ。
2017年12月09日(土) そして神戸。

20代までは断然うどん派でしたが最近はそばの方が好きな衛澤です御機嫌よう。

さて、私このたびはじめて自力で兵庫県神戸市まで行って参りました。振り返りますこと約30年前、高校3年生の秋の遠足で神戸市に伺いましたがそのときは観光バスに乗せて貰いまして、自動的に現地に到着し、しかも行った先は異人館がある辺りで、今回伺った三宮とは違う場所でした。

このたび伺いましたのは神戸市三宮にありますジュンク堂書店三宮店。私が大好きな『夜廻り猫』を描いていらっしゃる深谷かほる先生のサイン会があるというので出掛けたのでした。サイン会は本日12/9ジュンク堂三宮店、明日12/10に紀伊國屋書店グランフロント大阪店 にて行われるとの由で、私の地元からはグランフロントの方が余程近いのですが、12/10は外せない用事があり、神戸市まで足を伸ばしたのでした。

神戸市までは片道100km。在来線を乗り継いでいけば片道2時間10分前後で運賃1840円。しかし私はやはり原付単車に乗って出掛けたのでした。だって電車は時間に気を付けなくてはいけないし、時間帯によっては混雑するし、混雑したらすわれないし。単車なら時間を気にしなくてもいいし、混雑して席にすわれないなんてこともありません。片道100kmなら日帰りの範囲です。

いつも通りに国道24号線から風吹峠を越えて泉南市に出て、湾岸線ではなく府道204号線を北上、大阪市内に入ったら花園北交差点で国道43号線に折れて、あとはひたすら神戸市まで一直線。途中、高石市のぎりぎり堺市辺りにあるファストフード店で休憩&食事。休憩の前後150分ずつ走行しました。

朝は7時30分出発の予定が調整を間違えて出発時間に起きてしまい、慌てて準備をして予定より40分遅れで出発。しかし、休憩地点の高石市には予定通りの時間に到着して安堵しました。
大阪市内までは今年に入ってから割りと頻繁に出掛けていましたので、もう慣れたものです。いつも文字地図を作成してハンドルにぶら下げて行きますが、大阪までは地図を見なくても辿りつけるようになりました。さて、それよりも向こう側、兵庫県にははじめて単車で入ります。

要は国道43号線が同じく国道2号線に切り替わるまでずっと走るだけなので難しいことはないのですが、兵庫県に入ってから神戸市までが長く、神戸市に入ってから三宮までがまた長く、幾分気が遠くなりそうでした。
13時35分、予定よりも7分遅れで駐輪場に到着したものの、駐輪場から目的のジュンク堂三宮店までは徒歩2分とのことなので、サイン会開始時間である14時までには余裕で到着できるものと考えておりました。



しかし、そのジュンク堂が見つからないのです。
先ず、駐輪場近くのコンビニエンスストアで道を訊ねました。すると、店員さんが二人おられましたが二人ともジュンク堂をご存じないと仰います。地図を見せると「センター街のことか」と納得なさったようで、道順を示し「その先にコンビニがあるからそこで訊いて」というご案内。
2番めのコンビニエンスストアでは一応道順を説明してくだすったものの「……だと思います」と自信なさげ。みなさん、地元の人ではないのですか。

教えて頂いた通りに歩くのですが、街の中に「ジュンク堂」の文字は見当たりません。もう一度別のコンビニエンスストアで道を訊ねました。そこにいた若い男性店員は案内の仕方が上手で、しかもその店からジュンク堂がごく近くでしたので、ジュンク堂前まで連れて行ってくださいました。
このように右往左往しながら、迷わずに行けば2分で到着する場所へ30分かかって辿りついたのでした。地図持参で見ながら歩いてもこれだけ迷うんだものなあ。

サイン会参加予約時にご指示頂きました通り、ジュンク堂5階カウンタで予約番号を告げますと、整理券が発行されました。



予約は電話で行いまして、当然電話で名を告げた訳ですが、ほぼ別人として受け付けられていてああん(紙面左下が受付時の名前)。

サイン会には100人が参加。順番待ちは非常階段に列を作ります。予約時に「非常階段に並ぶから暖かい服装で」と予めジュンク堂からご指示がありましたのでご参加のみなさんはコートなど着込んで並んでおられましたが、私は単車に乗っても寒くないように靴の中にカイロ、腰にもカイロ、その上で30分ほど歩きまわってほかほかです。暑くて上着を脱ぎました。上着の中は勿論アロハです。真冬の恰好の人たちが並ぶ中で一人トロピカルおじさんでした。

非常階段の、サイン会場に最も近い場所に、12/5まで日本橋三越で開催されていた「夜廻り猫のクリスマス展」にいた遠藤平蔵氏がおられて、撮影してもよいとのご許可を頂いたので、写真を撮りました。



三越では同じくサンタ姿の宙さんと並んで来客を迎えていたのですが、宙さんは翌日のサイン会場である紀伊國屋書店グランフロント大阪店に前乗りしていたようです。



そして自撮りおじさん。
何か不満そうな顔をしているのはもともとの顔立ちに加え、「これでちゃんと写ってるかな?」と不安だったのと、何度も撮り直しをしていられない(ほかの人も待ってらっしゃるので)からと急いで撮ったので笑顔になっている暇がなかったからです。ほんとうはうれしくてにっこりしたかったのです。

サンタの平さんだけでなく、スタンプも設置されていました。



これも三越で提供されていたもののようです。三越には遠くてとても行けなくて残念に思っていましたので、ここで平さんやスタンプに出会えるのはたいへんうれしいことです。




ワカルさんと平さんのスタンプ。平さんのお名刺も置いてくだすっています。




サンタ帽を被った平さんが何だかつるんとしているように思えたのは、頭に缶詰が乗っていないからなのですね。暫く気付きませんでした。
列は長かったのですが、待ちくたびれるほども待たずに進みまして、会場に入ることができました。

深谷先生は、とてもほっそりとした方で、一人一人にいちいち立ち上がってお辞儀をしてらっしゃいました。丁寧な方であることは御作から想像に易かったのですが、このほっそり加減は……! 私がデヴ家系で育った故の印象だけではないはず。
深谷先生のほかの作品もそうなのですが、『夜廻り猫』は、やさしい漫画です。やさしさとは、強靱さでもあります。それを毎回表現し得る御仁がこんなにほっそりとしてらっしゃるとはどういうことか、と口ぱかんであります。

先に受け取った整理券に自分で名前を書く欄があったのは、サイン本に宛名を入れて頂くためのものです。名の確認の際に音読しましたらそれを聞いて深谷先生は「あっ」と仰いました。憶えていてくださったのです。
私は今年の伊勢丹夢袋企画で、かつて一緒に住んでくれていた黒猫「まめ」の話を『夜廻り猫』に描いて頂きました。今回刊行された第3巻に第224話として掲載されております。
まめのことは憶えていてくださることはあろうと予想はできましたが、私のことまで憶えていてくださるとは思いもよらず、大変驚いた次第です。

サインには希望したキャラクタを添えて頂けることになっていて、深谷先生は「まめを描きますか?」とお申し出くださいました。
大変悩みました。
まめを描いて頂くのはとてもうれしいし、そうして頂けばこの本は世界でただ一冊の本となります。しかし、私にとって平さんは憧れの御仁であり目標でもあります。
長く悩んでいる時間はありません。あとにずっとお待ちの方々がおられるのです。

悩んだ結果、平さんを描いて頂きました。



平さんは、私の理想のおじさんキャラクタです。
強面で一見怖いのだけど実はやさしく親切で、強靱であり、ちょっと不器用で、勝たないかもしれないが決して負けない人。いてくれる、それだけで有難い人。
誰かにとっての平さんになれたら、と思うこともあります。

即興が効かない性質なもので気の利いた話も充分な御礼も申し上げられず、それが幾分心残りではあります。
ジュンク堂を離れたのが15時過ぎ、それから駐輪場に戻って眼鏡やヘルメットのバイザーにくもり止めを塗り直したり、朝の出掛け15分ほど降った雨のために着た雨合羽をたたんだりして、神戸を発ったのが丁度16時くらい。もと来た道を辿り直します。

大阪市からは今朝通った道でなく国道26号線の方へと辿りまして、途中でやはり食事休憩。当初の予定とは違う場所での休憩で、この店舗に辿り着くまでに3時間かかりました。3時間走ると流石に尻が痛いです。



牛すき焼き定食に唐揚げとマンゴージュースを添えて。別のファミリーレストランに立ち寄る予定を立てていたのですが、あまり食べたいメニューがないなあと思っていたのでこちらに変更しました。

さらに2時間走って、途中で買いものして、帰宅すると22時30分。ほぼ予定通りの行程でした。途中1回だけ給油して2.9リットル391円。電車に乗る9分の1ほどの金額です。
しかし、1日に200km走ると流石にくたびれておりまして、帰宅後は直ぐに眠くなって眠りました。そして翌日ではなく翌々日、ずっとアクセルを捻っていた右腕が痛くなりました。時間差で痛みが発生するところが年寄りです。


エンピツユニオン


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