例年いま頃の季節に、私の街には艦がやってきます。海上自衛隊の艦が、艦艇広報のために港に入るのです。今年は輸送艦「しもきた」が来てくれました。
来てくれるのは護衛艦(戦闘能力を持つ艦)が多かったのですが、今回来てくれた「しもきた」は輸送艦。ものを運ぶ艦です。「もの」には艇や燃料や食糧や人間が含まれます。人間は330人運べるそうです。
「しもきた」は2002年就役、基準排水量8900トン、全長178メートル、全幅25.8メートル。ディーゼルエンジン2基で26400馬力を出し最大22ノットで洋上を走ります。乗員は146名。2隻のLCACを搭載しています。
上の写真は「しもきた」艦尾から覗くLCAC艇尾のプロペラです。
LCACは「エルキャック」と発音します。「Landing Craft, Air Cushoned」の略語で、日本語では「輸送用エアクッション艇」と言います。もう少し一般に知られた言葉で言うと「ホバークラフト」です。水面や地面からちょっぴり浮き上がって走る乗りものです。「しもきた」にはこれが2隻搭載されています。
「しもきた」艦内格納庫内で見るLCACコクピット部。無骨な窓枠、赤いランプ、恰好いいですね。萌えます。
「しもきた」が来てくれたのは5月30日。それまでいまひとつの御天気続きでしたが、この日はよく晴れました。艦尾の艦旗もさっそうとはためいています。
萌えると言えば、自衛艦の艦橋構造部。水上レーダや対空レーダ、各種アンテナ類が萌えどころです。
中に入ってみると、「しもきた」の艦橋はこれまで拝見してきたどの護衛艦よりも広くてゆったりでした。
艦橋だけではありません。艦内食堂も広くて設備も新しいものでした。流石就役8年の若い艦です。
護衛艦の艦内食堂の椅子は普通の4本脚の椅子で、しかしローリング(横揺れ)やピッチング(縦揺れ)で椅子が床面をすべっていかないように、テーブルに椅子を引っ掛けておく構造になっていました。
しかし「しもきた」では御覧の通り、椅子とテーブルは一体化しております。テーブルの間隔も広くてゆったりめです。
陸の上ではこれも例年通り陸上自衛隊の車両展示がありました。停泊中の「しもきた」艦橋付近から見るとこんな感じ。
並んでいる4台は何れも施設科の車両だそうです。左2台は装甲車両です。
私の街の港には、カーフェリーが就航しています。「しもきた」見学中に丁度入港シーンが見られたので撮影。徳島港とこちらとを往復しているフェリーです。
艦や船や艇を沢山見られて大変愉しい一日でした。