衛澤のどーでもよさげ。
2008年02月07日(木) 走る。(その1)

一八歳の終わり頃に原付運転免許を取得して以来の私の移動手段は四割方が原付単車だった。徒歩や自転車や各種交通機関でも移動はしたが、中距離移動は専ら単車を利用した。自分が動きたい時間に動くことができて、身体もしんどくなくて済むからだ。

それ以外にも私が単車に乗る理由はある。単車で走ると愉しいのだ。いま頃の季節は風が身体に厳しいからあまり遠出はしないが、夏から秋にかけては出掛ける用事がなくても単車で走りに出掛けたくなるものだ。

しかし、ここ一〇年ほど私は単車から遠ざかっていた。その理由やその間の私の経験などは冗長になってしまうのでここでは省くが、とにかく私は昨年末に再び単車がある生活をはじめた。
現在の私の愛車はスズキ・チョイノリ(通称チョイ)の白である。



まだまったくのノーマル状態、オプション品はヘルメットホルダーを付けただけだ。二箇月ほど乗って、ようやく長く単車から離れていた間に失くした勘を取り戻したところ。乗り慣れて白チョイがかわいくなってきたところだ。これからささやかにカスタムを施していく予定。

これまでも走ることは好きだったが車体に愛着を持つことはあまりなかった。しかしチョイはとてもかわいい。小さくて、軽くて、非力だ。ちょっと強い風が吹けば車体はふらふら横すべりしてしまうし、ややきつい勾配にさしかかればエンジンがしんどそうにうんうん唸る。正直言って怖い。
だが、「小さいながらもがんばっている」のがかわいいのだ。馬力はないし、燃料タンクが小さくて頻繁に給油しなくてはならないし、なのに燃料計がなくていつガス欠になるか判らない、そんな面倒な単車だからこそチョイはかわいい。

原付単車には車検がない。だから乗り潰してしまうものだが、いま乗っている車体が駄目になってしまっても、次もきっとチョイに乗ろうと私は思った。そんな矢先に残念な報せが届く。
チョイノリの生産が終了したとのことだ。現在出まわっているのが「最後のチョイ」ということになる。

大切に乗らなければ。それと同時に私は思った。このチョイとともに大変なめに遭っておく必要がある。つまりは思い出づくりである。
昨日付の当記事に、自分が仮に立てたツーリング計画について「幾ら何でも最高時速四〇キロメートルの単車で片道一五〇キロメートルを走ろうというのは無謀である。計画を立てるのは愉しいが、立てるだけに」と書いたのだが、この際無謀でもいい。立てた計画を実現しようと決めた。

先ずはロードマップ(ダブルミーニング)が必要である。という訳で、ツーリングライダー必携書「ツーリングマップル」を買いに行ってきた。

(次回につづく)


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