衛澤のどーでもよさげ。
2007年01月22日(月) 判コ。

ぼくは原稿を紙でつくっている。つまり、デジタルメディア隆盛のこの時代にまだ紙の原稿用紙に万年筆で一ト文字一ト文字書き込んで原稿をつくっているということだ。
勿論、納稿時にはデジタルデータに直すのだけど、デジタルデータに直すという作業はぼくにとっては「清書」に過ぎない。

紙の原稿の利点は、書き直した部分の書き直す前の状態が、修正のために引いた上書き線越しにでも残るということだ。もしかしたら「前の方がよりよい表現だったかも」ということで書き直した部分を更に訂正することも起きる可能性だってあるのだ。
デジタル原稿制作だと、こうはいかない。書き直して上書きしてしまったら、書き直す前のデータはなくなってしまうのだ。後戻りできない。

ぼくは完成原稿ができるまでに何度も原稿を書き直す。初稿から第二稿、第三稿、第四稿……決定稿までの原稿は、完成原稿が納稿されて編集に「よろしい」と言って貰うまですべて取っておく。いつ、どんなときに書き直しや加筆修正が必要になって、そのために決定稿以前のバージョンのどの部分が必要になるかもしれないからだ。

そんな訳で、同一作品の沢山のバージョンの原稿が手許に残るので、一ト目でどれが決定稿かが判るように判コを押して区別していた。「没」という判コと「決定稿」という判コを、スタンプ台でインクをつけて捺していた。
しかし最近はその頻度も高くなってきて、スタンプ台を出してきていちいち判コにインクをトントンとつけて、ばんっと捺したと思ったら巧くインクが付いていなくてもう一回スタンプ台をトントンして……なんてやっていられなくなった。

そこで、新しい判コをつくった。いちいちスタンプ台にトントンしなくていいやつだ。

「決定稿」と「没」の判コ

判コを手にしたらぽんぽん捺したくなるのが人の常で。

乱打

ぱかぱか捺したくなっちゃって意味もなくメモ帳にどんどん捺しちゃったよ。三十路半ばにもなってまだまだコドモだねー。
しかし、没没没没没というのは、意味はないと判っていてもあまりいい気分がしない字の並びだ。


【今日のがっかり川柳】
ピタマック買いに行ったら期間切れ。


エンピツユニオン


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