一二月一三日に
青葉台フィリアホールにて行なわれましたドラマ「
のだめカンタービレ」第一〇話撮影にエキストラとして参加した御話の後編です。文中で第一〇話(一二月一八日放送分)の内容に触れていますので、ネタバレいやんの方はお読みにならないよう御注意ください。
撮影に一ト区切りがついて、休憩が三〇分ほど貰えましたが、この間に用便や食事やらを済ませておかなければなりません。一五時に近い時間でしたが昼食はこの時間です。携帯電話のバイブレーション音まで拾ってしまうという高性能な撮影用マイクが私の腹の虫の声まで拾いませんかと多少不安でした。
エキストラの食事はエキストラがそれぞれ自分で用意するように、と予め指示がありました。御弁当をつくってきた人や買ってきた人、パンで済ませている人、ファミリーマートと「のだめカンタービレ」のコラボレーション商品「
裏軒クラブハウスサンド」を食べている人など、いろいろでしたが、私は
ウィダーインゼリーで済ませました。カロリーを摂るために「エネルギー」と筋肉を落とさないために「プロテイン」とを各一ツずつで、計二七五キロカロリー。動きまわるような役ではないから大きなカロリーを摂る必要はありません。たとえゼリーでも二ツ飲むとお腹一杯になるよ。
ホール内は飲食禁止で、ロビーの外に出て行ってもいいけれど時間はあまりないから、エキストラのみなさんはロビー内で食事していました。椅子は数が限られているから、ホール入口の階段に鈴なりに腰掛けていて、しかもエキストラは女性の数が多いものだからホール入口前階段は段数は少ないけれどまるで雛飾りでした。
B日程参加の人がいなくなると、フィリアホール内の人数は半分くらいになってしまいます。そこでキュッと詰めてすわることになります。詰めた結果は下図の通り。
休憩明けは先ずロビーの場面から。演奏を終えたのだめは観客席に千秋センパイの気配を感じ取ったものの、まだ対面していません。ロビーに探しに出ます。その場面を、どうやら観客席出口に近いところにすわっている人から何人かを呼び出して撮影したらしいのですが、大半のエキストラはその間約一時間、観客席で待っていました。
ステージ上は機材もスタッフも役者さんの姿もなくなり、「思う存分ピアノを撮影してください」とのことだったので、写真を撮ってきました。
これが! これがッ! マラドーナピアノコンクールで使用されたピアノだッ!(荒木飛呂彦風)
……はァ。
ヤマハのグランドピアノですね。基本的に撮影中は携帯電話及びデジタルカメラ等での撮影は厳禁ということになっていたのですが、それは「撮影現場」や「役者」を撮ってはいけない、ということだったのですね。私は会場内は一切撮ってはいけないのかと思っていましたよ。
さて、一時間ほどロビーの場面撮影待ちをした後、再び撮影はホール内へ。今度はマラドーナピアノコンクールの結果発表(二次審査)の場面です。
ステージ上にコンクール役員とホワイトボード、観客席にはハリセン江藤先生と奥さんのかおりちゃん(白石美帆さん……顔小っさ!)、のだめ、ハリセン一門坪井くん、のだめのライバル悠人くんとその母君がおります。前出の座席表参照のこと。
観客役のエキストラの仕事は、結果が発表される前の緊張感とざわつき、ホワイトボードに結果が貼り出されたときの一喜一憂(観客はみんなコンクール出場者の関係者だから)、審査通過者への拍手など。また、ステージ上のコンクール役員や観客席後方の取材記者たちもエキストラの中からピックアップされた人たちです。
最初はコンクール参加者の配置が左右均等だったので、その一喜一憂に合わせて周囲もリアクションして、それをすべて撮影する予定だったようですが、尺に収まりきらないらしくて舞台上手に近い方、つまり私がいる方の半分はほとんど撮影されないことになりました。悠人くんやのだめ周辺に大きなリアクションが振り分けられることに。
貼り出される「結果」は二枚の紙に番号で四人ずつ書かれていて、悠人くんものだめも二枚めの後半にそれぞれの番号があります。つまり、番号が明らかになる度に誰かが歓喜の声を上げるけれど、それはのだめではない、はてさてのだめは審査を通過できるのか?という緊張感が演出される訳です。その緊張感の最高潮が番号の最後から二番めの、悠人くん親子がよろこぶ場面です。
悠人くんは千秋センパイとは違った意味でオレ様なので、自分が通過したことが判っても大きなリアクションはせずに「当然だ」という顔をしていますが、ナイスオーバーリアクションは悠人ママ。声量もあって動きも大きくて悠人くんに「ひしっ」と音が聞こえそうな勢いで抱きつきます。「ああ、芝居というものはこうやってやるものなんだ」と思わせてくれる演技です。
その素敵に大仰な演技が勢い余って、悠人くんの特徴ある「あの髪型」のカツラをずらしてしまってNG、というハプニングも。「ヅラ直し待ち」時間が。こ、これって貴重な体験中の貴重な体験だと思います(((゚□゚)))。ヘアメイクさんがささっと寄ってきて手早くかつ丁寧に直してくれます。
最後に発表される番号がのだめの番号。よろこびに叫ぶかおりちゃん、言葉にならないよろこびに震えるのだめ、へなへなと脱力してしまうハリセン江藤……ですが、その前に、悠人くんが審査を通ったと判ったときのライバル心剥き出しのリアクションが入ります。そのときに、出ました白目! いや、これは本番では使われませんでしたが。
「白目」という表情をわざわざ入れるドラマはこれまでになかったのではないでしょうか。それが、いまや「のだめや千秋くんのように白目やりたい」という人が巷に現われるほどの白目ブーム。……はい、私も「のだめ」第九話で「よろしく御願いします!」と挙手敬礼で白目ののだめを見て真似しましたとも。それ以前にも「ガラスの仮面」ごっこでよくやってたけどもさ。
このときの白目はのだめだけだったらしいのですが(私の立ち位置からはよく見えなかった)、ハリセン役の豊原功輔さんが監督氏に「白目は要りますか」と訊ねていたのが印象的でした。
のだめ審査通過のよろこびと、へなへなハリセンの「何とかなったわ……」という台詞のピン抜き場面、そしてのだめの身体越しにのだめの手にある出場者番号が入ったカード、それ等を撮り終わってフィルムの確認が終われば、役者さんたちの出番はお終いです。エキストラよりも少しだけ早く現場を立ち去るときに、のだめ役の上野樹里嬢が「先に帰ります〜」と観客席に手を振ってくれました。か、かわいい……っ!
「のだめ」第七話で練習中のR☆Sオーケストラに差し入れにきたときに見せた「良妻のだめ」のような風情でひらひらと手を振る樹里嬢。これは、「女の子として」とか「タレントとして」とか、そういったかわいさではなく、何と言いますか、川原泉先生風に言うと「おにぎりにして転がしたいかわいさ」です! 場内一斉に拍手でお見送り。
拍手をしながら私は「おじさんは生命ある限りあなたを応援するよ!」と決意しましたともさ。
それからほどなくエキストラも撮影終了。一八時までの予定が一七時四〇分で終わりました。記念品を頂いてフィリアホールを後に。
記念品はフジテレビのクリアファイルと「プリごろ太」のコースター三枚組。コースターは原宿にあるという「cafe de のだめ」で使用されているもののようです。
フィリアホールが入っている青葉台東急スクエアを出ると、外は雨が降っていました。夜行バスの往路便が出るまでに時間があるから横浜の街を見ようかと思っていたのですが、その案却下。取り敢えず電車で横浜駅まで戻って、前回訪れたときに
桜井弓月さんに連れていって貰った高島屋内の「
横濱001」に立ち寄って友人たちに簡単な土産を買って、横浜駅構内でこれも桜井さんに教えて頂いた
崎陽軒の「シウマイ弁当」七一〇円也を夕食として買って、そのままバス乗り場であるYCAT(横浜シティエアターミナル)の待合ロビーに行きました。
シウマイ弁当は焼売はともかく米飯が旨いとのこと。
YCATと同じ建物の同じ階にコンビニエンスストアがあるのでそこで「日経エンタテイメント」を買って、ロビーの椅子でそれを読みながらシウマイ弁当を食べました。御行儀が悪いとお思いかも知れませんが、私は食べるときに何かを読んでいないと落ち着いて食べられないのですよ。だからコンビニエンスストアで見繕った中で一番読むところが多そうな「日経エンタ」を買ったのです。
「横濱001」で土産のついでに、これも桜井さんがおいしいと仰っていたのを思い出して「
雅芋」を一ツだけ自分用に買ったので、デザートにそれを頂く。シウマイ弁当とこれで満腹。横浜気分を満喫したような気になりましたが、ハマッ子のみなさんは「それは違う!」とかお思いではないかな、とも考えたり。私だって「小鯛雀寿司」と「みかんサブレ」を喰って「紀州を堪能した」とか言われたら「あかんやん」て言うもの。
「日経エンタ」はほんとうに読むところが多くて、YCATに着いてからバスが出る少し前までの三時間ほどが巧く潰れました。
バスの出発は二二時三五分。乗車したら目的地到着まですることはないし消灯されてしまうので、音楽を聴くか寝るかくらいしかできないのですが、寝るにはちょっと時間が早いかな、と思っていました。
でも、バスが出てさほど時間が経たないうちに眠ってしまいました。それほど身体が疲れたようには感じてはいなかったのですが、やっぱり疲れていたのでしょうか。
今朝七時に、予定よりも三〇分ほども早く地元に到着しました。二日続けて車内泊だったので、帰宅して直ぐに洗濯機をまわしながら風呂に入りました。
【今日の誰か教えて】
攪拌器(泡立て器)の正しい洗い方は?