世の中にはさまざまなバトンがあるようです。そりゃーディラン効果やバーナム効果やプラセボ効果などの心理学上のエフェクトよりも沢山あるみたいです。
そんな無数と言えるバトンの中で、今回ぼくの許にやってきたのは「言葉バトン」。最近銃を御購入、アグレッシブに磨きがかかる
蘇芳つぐみ絵師からの御指名です(「夜のヒットスタジオ」風)。「ミュージカルバトン」以来ですな。お答えしてみましょう。
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1.好きな言葉は?
「さようなら」。
「日本語の最もうつくしい言葉十選」の中に入ると思います。
2.あなたの口癖は?
「どひー」と「ノー!」は気付かないうちに口から出ています。
どちらも窮地に陥ったときに自分の声で耳にすることで「それほど窮地でもねえじゃん」という気にはさせてくれます。追い詰められずに済むと言いますか。
感嘆詞以外は癖を付けないように気を付けてもいます。書きものをするときに使用頻度に偏りが出ないように。
3.あなたにとって最大の褒め言葉は?
「何かよく判らんがすごい!」
ほんとうにすごいものは、はっきり判ったり言葉にしたり、なかなかできないもので。
4.普段、出来るだけ使わないようにしている言葉は?
「口に出さない」という意味での「使わない」なら、感嘆詞以外の言葉。言葉を口から出すのはとても怖いことなので。
書く上でなら、自分自身に制限を課すことは敢えてしないようにしています。
5.最近、言われて一番腹の立った言葉は?
自分に向けられた言葉に腹が立つことはほとんどないです。少なくとも自覚できる範囲にはまったくありません。
耳にして腹が立つのは、条件反射としか思えない速度で出てくる「not」の意味を伴った言葉。 「あり得ない」、「信じられない」、「無理」など。手前の狭い価値観で世の中の可能性を勝手に削るな、と思う。
6.一度言ってみたいが、きっかけが無かったりして言えない言葉は?
「ぎゃふん」
言ってみたい。心底言ってみたいのに、この言葉が勝手に口に出てしまう状況にまだ出会ったことがありません。
7.普段何気なく使ったりするけど、実は意味を理解していない言葉は?
言葉を「何気なく」使わない努力をしています。「何気ない言葉は傷つけていく」ので。
ほんとうに理解できている言葉なんて、ぼくにはただひとつもないような気がしています。
8.普段の生活において、思ったことの何%くらいを実際に言葉に出してる?
「言葉に出す」という行為が「口に出す」と等号で結ばれるものでないなら、という条件付きで、80%くらい。
自分で「自分はこう考えている」と確認できることは可能な限り書くようにしています。そうしないと自分が何を考えているのかすら判らなくなったり忘れてしまいかねないので。残りの20%は「おそらく考えてはいるのだろうけれど自覚できない部分」と「考えていない領域」。
9.面と向かっては言えないけど、メールでなら書けることってどんなこと?
「面と向かって言う」のも「メールに書く」のも苦手です。言葉を音にして口から出してしまうことはとても怖ろしいし、「かたち」として残らないものに書くことを「書くこと」と思えないので。
言葉を口に出すことを怖ろしいと思わずに済むなら「書く」人にはなっていなかったと思います。
10.プロポーズとして、言いたいor言われたい言葉は?
「プロポーズ」というものをしたいともされたいとも思わないので、それに必要な言葉も思いつきません。
11.今日で死ぬとしたら、最後に誰に何を言いたい?
すべての存在に「さようなら」。
この世で最もうつくしいと思える言葉を、それまで気持ちを向けたことのない存在に対してまでも口にすることくらい、最後ならぼくにも許されるんじゃないかなあ。と。
12.人生において「ありがとう」と言った数と言われた数は?
何れも無数。いちいち数えておくものではないし、数えるほどでしかないならそれはとても貧しくて虚しい。
13.現時点で最後に発した言葉は?
「発する」が「口に出す」ことなら、三〇分ほど前に来てくれた宅配屋さんへの「有難う」。
「発する」が「自分の外へ出す」ことなら、この一行。
14.あなたにとって言葉とは?
「魔法」。
とても便利でどんなことでもできるけれど決して万能ではなく役立たずですらある。
誰にも使えるようで決して誰にも使えるものではない。
生命を助けることも奪うことも人を倖せにすることも絶望させることもできて、しかしそれは術者の思うがままという訳にはいかず、ときにはしっぺ返しもきちんと喰らう摩訶不思議な術。
15.このバトンを誰にわたす?
あなたに。どうぞ。
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それにしても今日の表題は三〇歳越えたマニヤでもないと判らないよー(´□`)。
【今日の心から】
OYSTER氏の「光の大社員」と、荒井清和氏の「TVウォッチャーの逆襲」を大応援。