大阪の某医大病院のジェンダークリニックに行ってきました。行き掛けから難あり。
JR阪和線が「信号機のシステムダウン」だとかで途中の駅で止まってしまって、ぼくを含む乗客は別の車両に乗り換えるために途中下車させられて、乗ってきた車両はそのまま車庫へ。
次にやってきた車両に乗ればよいのかと思いきや、それも乗客を降ろすなり車庫へ。
中途の駅で降ろされてしまったぼく等乗客はプラットホームに長々と列をつくって目的地まで行く車両を待ちました。
幾つかの車両がプラットホームに着いて、扉が開かないままにJR職員が客席を改めていて、ぼく等はそれを見ていることしかできません。
―――システムダウンって、ほんとうかな。
―――実はテロ予告があって、いまJR職員が客席を見まわっている車両には新型爆弾が仕掛けられているのかもしれない。
―――そんなことを明らかにしたらパニックになるから情報が制限されているのかもしれない。
―――混雑するプラットホームをよく見ると怪しい動きをする人影があり、それに気付いたもと特殊部隊兵の“俺”はそいつを追い、爆弾の設置場所を吐かせて解体し爆破は防いだものの、国家規模の陰謀を企てる闇の組織に尾け狙われるようになり、たったひとりで戦う破目に……。
などと、柘植久慶先生の小説のようなモーソーをして愉しく待ち時間を過ごしました。モーソーはよろしいね。タダだし愉しいし時間は沢山喰うし。某医大病院には三〇分遅れで到着。
一ト通りの検査が終わってしまって診断が確定してしまうと、ジェンダークリニックではこれと言ってすることがなくなってしまいます。主にカウンセリングが必要なのですが、ぼくは地元の心療科医でサポートして貰っているし、わざわざ沢山のお金と時間を掛けて一〇分や二〇分の雑談をしに行くまでもないでしょう。
という担当医先生とぼくとの意見が一致したので、「何か」あるまでは通院しなくてよいことになりました。
次回以降の性別適合手術は某医大病院で、と考えはしたのですが、「お幾らですか」と医事課で訊いてみて眼ン玉飛び出ました。西川きよし師匠になるかと思った。
海外はやめておくべきかな、と先日の経験から思ったのですが、国内での手術はタイでの費用の二倍掛かるのですよ。
こんな訳で国内での手術は保留ということにして、状況に変化があるまでは通院はお休み、ということになりました。そう言えば今年の五月に「治療のガイドライン」の新しい版が出ると言っていたのにまだ出てませんよね、という御話をしたら「まだなんですよ。いつ出るんでしょうね」とぼくが医者先生に訊かれてしまいました。
【今日の大発明】
逃げて隠れる目覚まし時計。こういう発想は大好きだ。これがとんがり帽子を被った小さな人のかたちをしていて物陰で「ふふふ」と笑う機能が付いていたら買うかもしれない。