衛澤のどーでもよさげ。
2005年03月10日(木) ものおもふと。

ほの暖かくなってくる頃合いに、たびたびさだまさしさんの「無縁坂」を想起して涙ぐんでしまうことがあります。「母がまだ若い頃、僕の手を引いて……」という歌い出しの曲です。

それと関係あるようなないような話ですが、近頃―――ここ一年ほどの間でしょうか、ぼくの母はぼくに、ぼくの母となるよりも以前のことを、よく話すようになりました。まだ若い頃、ぼくの手を引いて歩くようになるよりももっと以前のことです。十代後半や二十代の、「娘さん」の頃の他愛ない話です。

その話を聞いたからと言って、何か得をするとか、逆に困るとか、そういうことは一切ないのですが、ぼくもそういう話を忌憚なくして貰えるようになったのだなと、何か感慨のようなものを覚えたりしています。
「あの街のその建物はその頃百貨店ではなく映画館で、隣りのうどん屋でうどんを食べてから映画を観るのが唯一の愉しみで、その頃のうどんは一杯三十円くらいで……」
ぼくが知っている街の知らない建物と知っている店と知らない物価と……何だか不思議な気分です。


【今日の御無沙汰】
数年振りに御顔を拝見しましたが相変わらず怖いですよ桜井敦士さん。


エンピツユニオン


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