衛澤のどーでもよさげ。
2004年11月13日(土) うっかりな姉ととほほな本。

うっかりさんの私の姉は今秋うっかり「世界の中心で、愛をさけぶ」ハードカバー版を新書で買ってしまって「あーあ」と言っていた。そして今日久し振りに会ったらばまたもや「あーあ」ってことをしてしまっていた。
「電車男」買ってやがんの。そんで「あーあ」って言ってるの。「何が何だか全然判んない」って。話題性「だけ」で本を選んじゃいかんよ。

確かに「いい話」なのだろう。
しかし、これを「物語」として「新潮社」が売り出すのは如何なものだろう。物語を書く者の立場から言えば、これは決して「物語」などではない。「いいおはなし」に過ぎない。そして「紙の上の過去ログ」に過ぎない。
おそらく私のうっかりな姉は「小説」だと思ってわざわざ新書で定価で購入したのだろう。某2のつく掲示板の存在も知らないままに。だって私の姉はインターネット環境とは無縁の生活をしているのだから。

これは新潮社ともあろう出版社がやることではないよなあ。幻冬舎あたりがやることだと思う。何を思ったかな、新潮社の編集者さんは。会社の姿勢を疑われることになるのではないだろうか。「電車男」という「書籍」のできや実績はともかくとして。

新潮社の「仕事」は評価されるべきだとは私も思う。装丁や紙の択び方、「中野独人」という集団ペンネームの名付けに「物語」として何とか成立させるためのログの編集、そして某2のつく掲示板であることを活かすための特殊な組版など、ほんとうに大変だっただろう。「電車男」という書籍に関わった新潮社及び外注先のみなさんにはこころから「おつかれさま」を申し上げたい。


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