いい天気だったがあすは雨だという。 晴でも曇でも雨でもない中途半端な天気のように11月8日は中途半端に過ぎていった。私はかぎりなく宙ぶらりん。宙にかかり風鈴だ。いや風鈴はもう季節外れだ。気づいてみれば秋は深く、私の風鈴はどこへ行ったのだろう。 渾身口に似て虚空に懸り 東西南北の風を問わず
道元禅師の師、天童如浄の風鈴の偈だ。道元はそれに和して
渾身これ口にして虚空を判じ 居ながらにして起す東西南北の風
と歌った。傑物の禅問答だ。宇宙いっぱいに風鈴が鳴っている。シズカナリ、カギリナクシズカナリ……
くわんおん の しろき ひたひ に やうらく の かげ うごかして かぜ わたる みゆ(会津八一)
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