徒然なる日々

2005年01月16日(日) 『別』

告別式の日です。

9時頃式場入り。

式場に着くと叔父さんは叔母さんの棺の前にずっと座っていた。


式が始まった。

今日も写真を撮る。

叔母さんの親族の方は泣きつかれたのか、ただ呆然と棺を見ていた。


最後のお別れの時。

みんなで棺に花を添える。

みんな泣き崩れていた。

私もファインダーを覗きながら少し泣いた。

最期に叔父さんが叔母さんに別れのキスをした。

私はシャッターをきった。


出棺し火葬場へ向かう。

叔母さんのお母さんは自分の足では歩けない程混乱してしまっていた。

母が肩を貸し、ようやく歩けた。

火葬場はさすがに生々しいからと写真は撮らなかった。


火葬が終わるまで控え室に戻る。

皆もようやく少し落ち着いたようだった。


火葬が終わり、骨壺に骨を納める。

癌で冒されていた部分の骨が黒く変色していた。

私と弟でその骨を納めた。


式場に戻り、初七日が始まった。

お坊さんがいろいろ話してくれた。


「人は死後、どこへ行くのか。それは生まれる前と同じ世界です。

 倫代さん(叔母さん)は今は少し休憩をして、また生まれてくるのです。

 人によっては80歳でこの世を卒業する人もいれば、7歳で卒業の人もいる。

 倫代さんは45歳という若さで卒業しましたが、とても太く生きられました。

 今は火葬ですが、それ以前は土葬でした。

 膝を曲げて頭を下げて埋葬してました。

 これにも意味があります。

 この形は赤ちゃんが生まれてくる格好と同じなのです。

 つまり生を終え、母なる地球に帰り、また生まれてくるという意味なのです。

 線香というものがあります。

 これは供養するためのものですが、線香にも意味があります。

 線香とは、故人へ想いを届けるものなのです。

 線香を焚き、故人へ想いを心の中で抱きます。

 すると線香の煙が昇っていき、故人へ届くのです。

 たとえ、仏壇が無くてもいいのでたまに線香を焚き故人を想ってください。

 供養をする一番の方法は忘れないことなのです。」



式が全て終了し、昼食をとり、告別式は終了した。

私はこの2日間のこと、そして叔母さんのことを絶対忘れない。

そして私はこんな写真は2度と撮りたくないと想った。





 < 過去  INDEX  未来 >


しまっちょ [HOMEPAGE]