エスムラネット・日記

2004年03月05日(金) ダウンタウン・フォーリーズ

 夜、青山円形劇場へミュージカル・レビュー「ダウンタウン・フォーリーズ」(第2弾)を見に行った。
 これは、島田歌穂(敬称略)ら4人の出演者が、ポップスからミュージカルのナンバーまで、いろんな曲を歌いつつ、タップダンスをやったりコントをしたりする、というものである。約2年ほど前に観に行った第1弾が非常に面白かったので、かなり期待していたのだが、今回も次から次へと繰り出される技に圧倒されたし、いろいろと勉強にもなった。たとえば、「レストラン殺人事件」(死体をめぐるコント)。最近、テレビで若手芸人が同じようなことをやっていたので、ついつい「どっちがどっちをパクったんだろう」などと考えてしまったのだが、これは「古くからある名作コント」なのだそうである(パンフレットに書いてあった)。「名作コント」というものが存在するなんて……知らなかった……。
 ちなみに、このレビューの中には「マリリン・モンローに扮した島田歌穂と北村岳子が、その月生まれの観客(開演前に申請する必要あり)を祝う」というコーナーもあったのだが、いつもどおり、開演ギリギリに到着した(時間を無駄にしない主義)3月生まれの私の替わりに、友人が申請しておいてくれた。「エスムラルダ」の名前で……。そのため島田歌穂は「次は……ミス・エス……エスム……ごめんなさい、(紙に目を近づけ)エスムラルダさん」と、まず名前で戸惑い、立ち上がった人間が男であることに驚き、全ての人の紹介が終わった後、「今日は全員女の方で……」と言いかけて動揺し、次の手順を間違えて「エスムラルダさんが頭から離れなくて……」とコメントしていた。申し訳ないことこの上もない感じである。が、私は15年くらい前から島田歌穂ファンだし、何と言っても彼女は、エリザベス女王の前で「on my own」を歌ったという、華々しい経歴の持ち主である。その同じ口から、何度も「エスムラルダ」という単語が飛び出したのは、とても嬉しかった。
 しかし、そのままではタダの「ちょっと目立ちたがり屋な、イタイ人」になってしまいかねないので、終演後、劇場の駐車場からご主人の運転する車に乗って出てきた彼女(ものすごく気さくないい方で、きちんと車を停めて、ファンに応対していた)に駆け寄り、「エスムラルダ」が女装名であることを伝え、女装写真入りの名刺を無理矢理押しつけてしまった。「イタイ人」を解消するつもりが、恥の上塗りである。

 というわけで、島田歌穂さん、いろいろとご迷惑をおかけして申し訳ありません……。名刺は、邪魔になるようでしたらお捨てください……。

●今日の行動
・「ダウンタウン・フォーリーズ」の後、新宿2丁目で行われていたイベント「glitter」に遊びに行った。このイベントは毎回、懐かしい曲がたくさんかかるので、ついつい帰りそびれてしまう。今日も結局、朝まで遊んでしまった。年寄りの冷や水とは、このことであろう。
 しかし前半は、海外からいらした方々(と、彼らをひたすら崇め奉り、甘やかす日本人)が多く、閉口した。いや、単にいるだけならもちろん構わないのだが、クラブ等で見かける彼らの多くはとにかくガサツで、自分たちのことしか眼中にない。ドラァグクイーンのショウが始まっても、演者や観客を全く無視して、うんじゃらかんじゃらと、英語で大声でまくしたてている(英語が理解できる人に聞いたところ、言っている内容も腹立たしいものだったようだ)。
 もちろん「海外からいらした方々」などとひとくくりにしてしまうのはあまりにも乱暴な話だし、私自身、知的で奥ゆかしい(海外からいらした)方を何人も知っている。それでもいざ、一部のデリカシーのない人たちを目にすると、ついつい「これだから欧米の中華思想(帝国主義思想?)は嫌だッ」などと思ってしまうのが、「偏見」の恐ろしさであろう。ただでさえ、海外に行く度に(って、そう何度も行っているわけではないが)「日本って、なんて親切で丁寧な国なんだろッ」だの「『謙虚さ』は日本の美徳ッ。何でもかんでもグローバル化されるのは絶対反対ッ」だのと考えてしまう、今日この頃である。「国粋主義」(?)や「偏見」とは無縁なつもりでいたのに……。まだまだ未熟な私である。


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森村明生 [MAIL] [HOMEPAGE]

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