すずキみるくのGooden 妄言
旧牛乳式形而上精神論理構造研究所日報

2007年06月13日(水) 過去は決して美しくなんかない。

偶然本屋でさだまさしのこんな本をみつけたんで、興味本位で即ジャケ買いしたわけです。だって香ばしにおいがぷんぷんしてるんですもの。

んで、読んでみたんですが、まあ、あれです。最近はやり(?)の回顧厨新書。「美しいナントカ」とか「ナントカの品格」とかそのパターンですな。それ系統のやつの家庭生活を中心としたものなんですが、レベルは低いです。早い話関白宣言の内容をそのまま新書にして一方的に押し付けてくる感じなんですな。・・・さすがに・・・さすがにこれでは・・・共感もできないし、問題提起もされないし・・・。まさしさだが一方的に放言して気持ち良くなって終わりという非常に不毛な一冊になっております。

しっかし、最近の新書ってのはインテリぶりたい馬鹿が買うもののような気がしてなりません。読者のコンプレックスをくすぐって選良意識を持たせてお金をもらうっていうのは、小林よしのりの得意技だったので案外おいらの世代にはもう効かないような気がしないでもないですが。こういう本の売り方って宗教と手法がおんなじなのよね。

んで、まあ、この手の本には「昔はよかった。」みたいなことが書いてあって、「家族、教育が崩壊したために若者の凶悪犯罪がふえている。」とかそんなことが書いてあるんですが、実は大ウソなんですね。うーん・・・むしろ嘘というよりも間違いというか勘違いというか。もしかしたら感覚だけでモノを言ってるだけなのかもしれませんが。

実は少年の殺人事件に関しては最近のほうが低いんですな。60年代がピークで70年代後半から落ち着いてきてあとは横ばいというパターン。さらにいえば、日本の凶悪事件の特徴は

少年の殺人率の低さと20歳代を越える50歳代の高さが海外では見られない日本の特徴。
ちなみに60〜64歳は117人、1.41で、相対的に驚異的な高さとなっている。


・・・要はデータでいえば、少年の殺人率は実は非常に低くて、むしろ50代以上のおっちゃんたちが頑張って人を殺しているんですね。・・・そんな世代の人間が「若者たちの凶悪犯罪」とか「家庭、教育の崩壊」とかほざくのはほとんど犯罪行為のような気がするんですが・・・。まず自分たちを総括せよ!・・・いっけない、また左翼用語使っちゃった・・・テヘ。

そういうと、最近の犯罪の異常性に話がおよぶと思いますが、昔も結構イカレた犯罪やってます。こんなんとかこんなんとかこんなんとかいかがでしょうか?ええ、昔も結構・・・というか今よりもアレな事例はいくらでもあるわけで。

つーかどっかの首相が大好きな「3丁目の夕日」ってこのグラフがまさにトップにあったころの話なんですが。回顧してる場合じゃないって!!一番ヤバいときだって!!

まあ、そういうわけで、実はいろいろとそんなに悪くなってません。つーかよくなってるはずです。よく考えなくても、よりよい社会をつくろうと頑張っている人はいつでもどこでもいるわけで。そういう人がいる限り、今日よりも明日がよくなっていくはずで。そう考えると50代にもなって回顧系の本を書くような人たちは今まで社会を変えようと努力もしなかった癖に同世代が作った社会を卑下する卑怯者といえないこともないと思うんですが。

大丈夫、昨日よりは明日はよくなっている。・・・たぶんそういう感覚は僕たちにとってすごく大事なもので、それはもしかしたら希望といえるんじゃないかと。・・・うーむ・・・いい加減わけわからんくなってきたんでおわります。


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