県内の最高気温が更新された。 確かに今年は暑さが厳しい。
けれども、事実がそうだからといって、毎朝の天気予報を容認するわけではない。
いったいどうして気象予報士というのは、警戒とか危機を吹聴するのがあんなに好きなのだろう。
毎日毎日脅しか呪いのように「この暑さ今後二週間はずっと続きます」「真夏並みの最高気温です」などと言われ、辟易している。
この人達は来月にはきっと、寒さと乾燥、火事とインフルエンザに衣替えするつもりなのだろう。
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天気予報の内訳には、市民が暑さ寒さでバテたり風邪を引くことが織り込まれている。 この、ある天気における人の-不幸な-心境や体調まで予報しようとする、全くおせっかいな部分が、私が天気予報を嫌いな所以なのだ。
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考えてもみるべきだ。 万物は変化している。太陽は公転している。
二週間もの-長い-間、太陽の傾きの変化を受けて、気象が何も変化しないわけがない。
朝晩の空気の違い、最高気温が継続する時間、朝日や夕焼けの時間は、 少しずつ確実に変化している。 それにあわせて人の心も秋へ向かってグラデーションを描いている。
どんなに最高気温が上がったとしても、もうそれは「真夏のような暑さ」ではないのだ。 株価ではあるまいし、最高気温の数値だけで何かを判断しても、それは有用性の低い断片にすぎない。
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そうした訳で、いつの間にか黄金色に輝いている稲穂の波を道端に眺めながら、 ほれみろ、と一人でくさっている。
2005年09月06日(火) 2004年09月06日(月) スポーツマンのスーツ
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