浅間日記

2009年04月27日(月)

クライマーのS君が、朝刊に載っていた。
ある国の栄えある賞を受賞したのである。

三組の登山隊のうち二組が日本人の隊である。
S君のほかにも、馴染みの人達の笑顔が並ぶ。

みな爽やかである。良い顔をしている。
権威ある賞を、本当の目的-よいクライミングをすること-のオプションとして楽しんでいる。



名誉職みたいな長老が何かとにらみをきかせるこの業界であるが、
自分がヒマラヤに登り続けられるのは、もはやこうした情熱ある若手のおかげだ、とHが言う。

あらキミもなかなか謙虚なことを言うね、と心の中で感心する。

Hはずいぶん色々なことに折り合いをつけている、と思う。
だから果たして、自分も-S君や他の若い人みたいに-誰に気兼ねすることなく毎年のように海外の高所へ行けたらと、そういうふうに思っているだろうかと、時々ふと思う。

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