年末から、長野県の社会経済には色々と激震がはしっている。
鉄道やバス、スーパーストアなどを経営する県内でも有数のグループ企業の経営破たんが明らかになった。 倒産ではなく、金融機関へ借入金返済を一時停止するよう申し入れた、という建前である。
助け舟を出す銀行業界も安泰ではない。 地元の銀行がひとつ、今期赤字を出し自社ビルをたたむことになった。
そしてこれは、もはや慢性的な問題になりつつあるけれど、 病院は医師がいよいよ不足して、特に産科は深刻である。 このままでは、全ての出産を帝王切開にしないとまわらないと医師が嘆く。 この土地で産む女は、水産試験場の魚みたいに腹を開けられることを覚悟しなければいけない。
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最近の地方紙の内容は、こんなことばかりである。 客観的にみれば、とても普通に暮らせる土地ではない。
この破綻ぶりは、地方格差を生み出した昨今の国政だけが原因ではない。
件のグループ企業の破綻などは、むしろ長年にわたり「格差の上位であること」に足をすくわれて、こうなったきらいがあり、あまり同情の余地が無い。
地域医療がおろそかになったのも、大学病院のせいだけではない。 大学病院が医師を引き上げることについては、別に思いがないでもないが、 医療が破綻することに対して行政がなすすべもないというのは一体どういうことか。わからない。
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でもしかし、破綻しているということは、再生の兆しともいえる。 地方自治とは何か、まじめに考えるチャンスなのだ。
生きていくために必要なのに欠けてゆくものや足りないものは、冒険ダン吉みたいに、 それを必要とするものの手で、一からつくればよいのである。
2005年01月08日(土) 「ダメ」と「よし」の深呼吸
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