浅間日記

2007年03月26日(月) 谷と谷底

病み上がりで木曽谷を南下する。

木曽谷を何度か行き来するうちに、気がついた。
国道19号が木曽川に平行している区間が少ない。

この幹線道路は、たいていの箇所で山の中腹をはしっている。
所々で、はるか下方の谷底に集落−いわゆる木曽街道の宿場町−が見えて、
この谷の暮らしや文化は、どうやらそっちにあるようだった。

甍の波を上から俯瞰しては駆け足で通り過ぎていたけれど、
今日は思い切って、集落内の生活道路を通過してみた。

長い下り坂を経て集落に入り、山を見上げると、
稜線は遥か遠く、月まで届きそうである。
川の両側に迫る、果てしなく長い山肌に、
ほとんど閉じかけた本のような状態で挟まれている。

V字谷の本当を知るならば、谷底から見上げなければだめなのだと知る。
当たり前と言われればその通りなのだけれど。

2006年03月26日(日) 生と死のはしご
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