知事選が近い長野県なのである。
現知事は、知事としてやりたいことはもう一通りやったのではないか、 だから立候補しないのではないか、と思っていたのだけれど、 それは見当違いのようであった。
有権者からみれば、なんとも困った選挙になりそうである。 現知事は確かにユニークだし、村井氏は、その担ぎ手がいけない。 現知事への私怨にまみれすぎている。
ただ、次の選挙を、現知事と議会がやらかしている痴話喧嘩の決着、 ととるのは性急な話で−担ぐ神輿を求めてオランダ人のようにさまよった一派はもちろん滑稽に違いないけれど−、 私は、この長野県政には、もう少し本質的でシリアスな現実があると思う。
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何しろ、今もまさにあるように、土砂災害の多い厳しい地形地質のなかにある。 電力会社や、水を買い占める商社の資本も桁違いに集中する。
つまり県民は、ダムに象徴される大型公共事業との因縁から、 −つまり、地方自治とは対極にある巨大な資本や中央官庁の関与から− 永遠に解き放たれることはないのだ。
知事を選ぶたびに、メリットデメリットで腹をくくらなければならず、 これは、候補者が「やすおちゃん」でなくても、最大の争点であり続けるだろう。
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もう少し書くと、こんな状況のなか高齢で出馬した村井氏は、 勝っても負けても、気の毒だという気がする。
2004年07月23日(金) 災害軍師
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