仕事の用事をすませた出先で、地元の農協をのぞく。
ひとかかえほどもあるヤナギと、これまたひとかかえある桃の花を購入。 産地直売のこうした店なら、花屋の半分以下の値段で手に入る。
車の中は、一足早い春である。
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立春の日に、豆をまいて追い出すものは、 冬の寒さや厳しさだ。
光とともに春を生活にむかえ入れて、 じきに始まる、田や畑での作業準備をするのだ。
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車中の供に、リストの「巡礼の年」。
そういえば、すっかり忘れていたが、 Hは今年も、ガンゴトリへ遠征登山に行くのだった。
あと半年もすれば、また再び、 巡礼者や、修行僧がいる聖地の、そのまた彼方の、 高峰の人になるのだった。
今度こそ登頂できればよいが、できなくても別によい。 そして、いずれにしても、あの山は今回で終わりにすることを、 時期をみてHに助言しようと思っている。
クライマーとしてのHの技術レベルは、私のあずかり知らぬ世界だが、 山の学校で教えているぐらいだから、多分申し分ないものだ。 少なくとも自己管理できるものになっている。
しかしHが確実に頂上に立つためには、 それ以外に身につけなければならないものがある。そんな気がする。
多分、家族である私にしか分からないし、間違っているかもしれない。 しかし今回の「巡礼の年」にあたって、 私はいつになくそのことが、気になるんである。
2005年01月26日(水) 性根
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