新年。
着物を着せてもらったAと、近くの小さな神社へ初詣に。 子どもの頃には広々見えた境内は、猫の額のように狭かった。 笑ってはいけないのだが、御籤を引いたら凶が出た。
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立寄った珈琲店の隣のテーブルでは、よその親子が人生談義中である。 仕事から解放された父親は、少しくたびれたフード付パーカーでくつろぎ、 中学生ぐらいの息子は、ぱりっとしたジャケットで正月を着飾っている。 「正月ぐらいそういう格好をしたい」という気持ちだけ、共通している。
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人口が減る年の始まり、である。 100年後には現在の半分になるそうで、 これまでせっせと建設してきた家や道路その他の都市基盤は、 これから少しずつ、壊したり小さい規模に造り直したりするんである。
吸い込んだ息は、吐き出さなければならない。 政治も、経済も、文化も、そういうものでくくれない市井の空気も、 高度経済成長期と同じ勢いで、元来た道をたどるだろう。 開発とは別の意味で、やるべきことは山積みなんである。
そしてそれは、マスコミが言うほど大変でもなんでもなく、 日本が国際社会の中で「成熟した国」になれるかどうかがかかっている 相当にクリエイティブな作業であると、私はわくわくしている。
2005年01月01日(土) 越年列車はすすむ
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