2005年07月02日(土) |
みかんの船は再び江戸へ行く |
浪曲「紀伊国屋文左衛門 紀文の船出」について先週書いた日記は、 一体どこへいってしまったのだろう?と解せぬ思い。
同じことをまた書くのには気が乗らないものの、 思うことはここに記録しておかないと、私はすぐに忘れてしまうので仕方ない。
最大の見せ場である、船頭達との「賽の目勝負」の場面を、「ピンを出してしまった船頭の男」の視点で描いているところが、この「紀文の船出」を面白くしている。 ヒーローのガッツポーズよりも、船頭仲間の「お前、やっちまいやがったな!!」という吐息を共有する方が、浪曲としては断然面白い。 ハリウッド映画なら絶対にこうはならない。ヒーローの張り詰めた表情とか、望みどおりピンが出た時のガッツポーズみたいな、たやすく想像できる絵を描くだろう。 「どちらの側にもそれなりに理解できる視点と言い分がある」ということを味わう余裕など、現在の彼の国にはないだろう。
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浪曲とは語りでもなく唄でもない、不思議な芸能分野と思う。鳴り物との調和も素晴らしい。 雷門に浪曲協会なる団体があり、浪曲寄席なんかも催されていると聞けば、これはもう、いずれ行かざるを得ない。
2004年07月02日(金) 青空球児は何処へいった
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