人形町の軍鶏屋で、Sさんと会う。 恩知らずで人への義理を尽くすことが面倒で仕方がない私が唯一慕情を寄せ義理を欠かせないSさんの誕生日を祝う。
「人間如何に生きるかだよ」という決まり文句の背景にある、戦後で何もかも失い、そして再生した人生とともに、誕生日の祝杯をあげる。今でこそ一流企業である会社を無名時代から支え、監査役まで勤めた人ながら、「娘ほど年齢が違うけど、僕はアナタを尊敬してんだよ」などと軽く言ってのける自由人と出会えたことを、本当に私は幸福に思うのだ。縁は奇なりである。
2004年05月14日(金) 三倍速の一日
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