暖かい春の日が来た。一足先にその力強さと長さを取り戻した日照に、やっと足並みをそろえるように。産湯につかっているような心地よさを一日中感じながら、山ひとつこえた隣の街まで、所用で出かける。動きを止めていた自分のパワーが、再び一速から二速へとシフトされていく。