熱が下がった、という理由で「治った人」という仕分けをし、 私に張り付いて離れない、青白い無表情なAを、保育園に預ける。
昔、職場のSさんが子どもの風邪で休むたびに、不満に思っていた。 不真面目な仕事の仕方で、子どもなど何とかなるだろう、と思っていた。 それは勇気のある家族に誠実な働き方だと考えるようになったのはずっと後のことである。 私一人の価値観や判断など、社会の中にある多くの事情の、その断片にすぎないのだ、とも考えた。
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わたしのせいで行き詰った仕事の、後始末に困った人が沢山いる。 急場をしのぎ、自分のせいではない、仕事の行き詰まりを背負い込んでいる。 大切な仕事の相手にそういう思いをさせてしまうことと、 青白い子どもを保育園に置いてくることは、同じぐらい何かを裏切っている。
ものごとを転調するためには、それでも明るく居て、過ぎたことは割り切るほかに方法はない。 そう自分に言い聞かせ、再び仕事を挽回することに、頭をまわそうと思う。
2004年03月01日(月) 合併合戦
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