浅間日記

2004年12月12日(日) 高尾山

仕入れておいたシャンパンで、Hと乾杯する。
私とHの間にあるいくつかの記念日の、今日はその一つだ。
ありがたいことにAはさっさと眠ってしまった。

日本が国際的に評価されないのは外務省の鹿鳴館外交のせいだ、とか、
佐渡へ仕事に行ったS君は何しているだろうね、とか、
とりとめのない話をしつつ、ふと、結婚して何年になるだろうかね、と、
そういう話題になった。

確か5年だね、と言うと、Hは
その間に俺2回も山に失敗したな、とつぶやいた。
この男は、こんな会話の中でさえ、振り返ることは自分の山なんである。

次はきっとのぼれるよ、と一応言ったけれど、
何だか真っ当すぎるフォローで自分らしくないなと思い、
高尾山にね、と付け足したのだった。


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