浅間日記

2004年11月26日(金) 文芸の話

木枯らしが吹き、落ち葉が道路を横断するように舞っていく。
掃き清められた都会の歩道のような、10枚、20枚というささやかなものではない。
遠足で出かける小学生集団のように、
落葉の群集が塊となって、どどどっと移動する。

俳句や短歌のたしなみがある人なら、さぞ素敵に詠むのだろう。
そういう素養のない自分は、ただこうして味気なく記録するのみである。



本当は、俳句よりも短歌よりも、私は、都々一(どどいつ)というのが好きだ。
「信州信濃の蕎麦よりも あたしゃアナタのソバが好き」、とか
「恋に焦がれて鳴く蝉よりも 鳴かぬホタルに身を焦がす」の、アレである。

古典の都々一などには、恋愛や夫婦など、男女間の妙味や細やかな情感を、
短歌などにはない、チャーミングな味わいで表現したものが多い。

頭文字にお題を入れて詠む、折り込み都々一などはかなり難しく、
高度な大人の言葉遊びなのである。

でも残念ながら、短歌や俳句ほどお目にかかれない。
遊郭での芸事として発展したせいだろうか。残念なのである。


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