バンコク発東京国際空港行きの、オリエント・タイ空港のジャンボ旅客機が、先月19日に東京タワーの上空200mをかすめるなど、 都心部の上空をすれすれで飛んでいたらしい。 都心内部に今回のような大型旅客機が侵入することは、かなり異常な事態であるそうだ。
「飛行機を追っていると、都心部に向かっているのであれっ?と思ったら旋回して空港を向いたので、そのままにした」というのが管制官のコメント。
テロでなければ都心に飛行機が突っ込んでも構わない、 とでも思っているのだろうか。
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同じ先月の初めには、 2001年に起きた日航機ニアミス事故で誤指示を出した管制官と、 その指導にあたっていた管制官の初公判が先月あった。 二人の管制官は無罪を主張している。 降下指示をする飛行機を間違え、指導官はそれを見過ごしたくせに。 それによって、乗客はひどい怪我やとても恐ろしい思いをしたというのに。
管制塔の中、というよりも国土交通省東京航空交通管制部というところは、 一体どういう体質で出来上がっているのか、 改めてマスコミは追求するべきだと思う。テロの恐怖以前の問題だ。
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人的ミスの背後には、技術提供側の、技術に対する驕りがある。 三菱自動車の一連のクレーム隠しや、医療事故や原発事故などをみても、 そのように思う。
航空技術や医療技術は確かに大したもので、 素人が容易に理解できるものではないかもしれない。 だからそういうところに「どうせ解らないやつは黙って利用されていろ」 という気持ちが芽生える。技術に酔いしれた大いなる驕りだ。
自分が人間であるという自覚、 人間の犯す間違いについての理解、 社会に貢献しているという責任と想像力、 こういうものは、技術水準が高まれば高まるほど必要になるのだと思う。
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ちなみに人為ミスについての分類にはこういうものがあるらしい。 ・オミッション・エラー(実行すべき行為をしない) ・コミッション・エラー(実行したが正しく行わない) ・入力エラー(聞き間違い、見間違いなど) ・媒介エラー(判断や記憶の間違いなど) ・出力エラー(言い間違い、ボタンの押し間違いなど) ・スリップ(意図していないことをしてしまった失敗) ・ミステイク( 目標形成、意図自体の失敗)
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