浅間日記

2004年10月18日(月) 管制塔は象牙の塔

バンコク発東京国際空港行きの、オリエント・タイ空港のジャンボ旅客機が、先月19日に東京タワーの上空200mをかすめるなど、
都心部の上空をすれすれで飛んでいたらしい。
都心内部に今回のような大型旅客機が侵入することは、かなり異常な事態であるそうだ。

「飛行機を追っていると、都心部に向かっているのであれっ?と思ったら旋回して空港を向いたので、そのままにした」というのが管制官のコメント。

テロでなければ都心に飛行機が突っ込んでも構わない、
とでも思っているのだろうか。



同じ先月の初めには、
2001年に起きた日航機ニアミス事故で誤指示を出した管制官と、
その指導にあたっていた管制官の初公判が先月あった。
二人の管制官は無罪を主張している。
降下指示をする飛行機を間違え、指導官はそれを見過ごしたくせに。
それによって、乗客はひどい怪我やとても恐ろしい思いをしたというのに。

管制塔の中、というよりも国土交通省東京航空交通管制部というところは、
一体どういう体質で出来上がっているのか、
改めてマスコミは追求するべきだと思う。テロの恐怖以前の問題だ。



人的ミスの背後には、技術提供側の、技術に対する驕りがある。
三菱自動車の一連のクレーム隠しや、医療事故や原発事故などをみても、
そのように思う。

航空技術や医療技術は確かに大したもので、
素人が容易に理解できるものではないかもしれない。
だからそういうところに「どうせ解らないやつは黙って利用されていろ」
という気持ちが芽生える。技術に酔いしれた大いなる驕りだ。

自分が人間であるという自覚、
人間の犯す間違いについての理解、
社会に貢献しているという責任と想像力、
こういうものは、技術水準が高まれば高まるほど必要になるのだと思う。



ちなみに人為ミスについての分類にはこういうものがあるらしい。
・オミッション・エラー(実行すべき行為をしない)
・コミッション・エラー(実行したが正しく行わない)
・入力エラー(聞き間違い、見間違いなど)
・媒介エラー(判断や記憶の間違いなど)
・出力エラー(言い間違い、ボタンの押し間違いなど)
・スリップ(意図していないことをしてしまった失敗)
・ミステイク( 目標形成、意図自体の失敗)



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