浅間日記

2004年07月29日(木)

視界の片隅がやけに明るいと思ったら、
窓から月が、ぽっかり出ていた。
煌々と輝くというのはこういうことだ、と言わんばかりに。

アンデルセンの「絵のない絵本」は、
確か、月が語り手だったな、と思い出す。
一連の物語の中の、道化師が最愛の人と死別する話は、
切ないながらも甘美な余韻があって、
その昔、妙に内向的にしみじみと味わったものである。

ああいう直球勝負の自分はもういないけれど、
花火みたいにわずかな時間でも、
そういう時期が人生の中にあってよかったと思う。

そういえば当時、
ドビュッシーの「月の光」もすごく好きだった。


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