連日の雨が過ぎ去ってしまうと、確実に 木々の緑はその色濃さとボリュームを増していた。
疲れて帰宅すると、Hも疲れていた。 その様子によってAもご機嫌ななめだ。
不機嫌力は、一番生命力のあるAが最もパワーを発揮して、 他の二人を圧倒する。そして再び疲弊する。 会話の棘が口論という気色を帯びてくる。 形式的な就寝の挨拶と沈黙。
別に特別なことではない。 私はトゥルーマンショーをやっている訳じゃないのだ。 右回りに回転する時もあれば、左回りに回る時もある。
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その渦が家族という単位から国家規模になって、 イラクやアメリカ、その他全世界にいる「市民」の 怒りと悲しみはある。
洗濯機を回すようにスイッチをONにした首謀者はいるだろうが、 渦を止めるのはスイッチ一つというわけにはいかない。
ぐっすり眠った後の日の輝く早朝に、 昨晩の嵐をケロッと忘れてオハヨウオハヨウと言える この3人の小さな単位は、本当に幸せだなと思う。
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