2004年03月31日(水) |
書を捨てよ街へ出よう |
文部科学省の教科書検定。
一端削られた内容が、「発展的内容」として復活した。
文部科学省は「今年から復活した」と、 胸を張って発表しているようだが、 旧バージョンの教科書を使った子ども達が、再び 新しい教科書で学ぶわけではない。
教科書が変わった、というのは 定点観測をしている大人の視点だと思う。 子どもにとっては一期一会の教本であり、知の源泉だ。
そういう大切な教科書のスタンスがコロコロ変わるというのは、 教育者をはじめ大人への信頼に関わる問題だと思う。 その点では、 戦争中に使っていた教科書を終戦後に塗りつぶされたのと相違ない。
もちろん試行錯誤は悪いことではないし、 教える内容が社会経済状況に対応して変化するのは妥当なことだ。
だからせめて教科書の冒頭には、 「この本は、貴方達の学習のために、 現段階で考え得る最高の内容としている。 しかし不必要な内容があるかもしれないし、 もっと学ぶべきことはあるかもしれない。 それは、貴方達もよく考えて欲しい。」
ぐらいの断り書きを示すのが、フェアというものではないだろうか。
だいたい教科書をそれ程まで重視する姿勢が、 私はどうも面白くないのだ。
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