時々日記な雑記帳

2007年02月27日(火) ss...26

***

絵を、描きたい。

写真を撮りたい。

粘土を触りたい。

音楽を、聴きたい。


映像を、撮りたい。

文章を書きたい。

物語を綴りたい。


歌を、歌いたい。

歌詞を、書きたい。


服を、作りたい。

世界を、創りたい。


何かを、表現したい。

強く。
強く。

願い続けよう。


いつの日か叶えられるように。

忘れないために。



+++


視覚的な何かに、すごく魅かれる。

映像、形、色。


文章の連なりにも、ときめきを覚える。

リズム、流れ、世界観。


表現、するということ。

そこに、心揺さぶられるものがある。



ふと、目が留まったとき

その、誰かの心を、揺さぶりたいのだ。


かつて、自分がそうだったように。


+++


色んな知識が欲しい。

色んな映像を見たい。

色んな音楽を聴きたい。

色んな物語を読みたい。

色んなパズルを解きたい。

色んな色を見たい。

色んな言葉を知りたい。

色んな瞬間に立ちたい。

色んな音を聞きたい。

色んな香りを知りたい。

色んな絵を見たい。


色んなことを、知りたい。



いつだって、その目を輝かしていないと
きっと生きていけないかもしれないんだ。


+++

理解不能な感情は、無いのだと思う。

けれど、それは知識としてであって。


きっとこういうものなのだろう。
だからこういう場面では、きっとこうなってしまう。


それは、予測をつけて話をすることが出来る。


だけれど、これはあくまで知識であり、予測なのだ。


実際に、その感情の全てを抱いたことがあるかと問われれば、

NOとしか言えないかもしれない。


無知なことは、時として罪になるのかもしれないが、
悪いことでは決してない。


だけれど、多くの感情を知らない自分を
たまに悔しく思うのも事実だ。


まるで、人形みたいで。


だから、一喜一憂して、ロマンを語るあの子が羨ましいときがある。
感情的になって、怒鳴り、顔を熱くしているあの人に注目してしまう。
ぼろぼろと涙を零して、思いの丈を吐き出そうとするあの子がきになってしまう。


どうしたのだろう。
どうしてなのだろう。

どんな、かんじなんだろう。


きっと、こんなかんじなのかもしれない

と、自分にその背景を当てはめて
脳内で演じてみるのだ。

その人になったつもりで、
どんな風に感じて
どんな風に考えるのか



何が、見えているのか。



そんなことばかり考えていたら

気付けばこんな風な人間になっていた。


色んな人の心理が見えるから

どうすれば喜ぶか
どうすれば腹が立つか
どうすれば悲しませられるか

どうすれば信じてもらえるか
どうすれば嘘をつけるか

どうすれば嫌われるか
どうすれば好かれるか


完璧ではないにしても

何となく、判るようになった。


だけど

常にそこには

「演じている」感覚の拭えない自分がいて

時々、自分は本当はどうしたいのかが分からなくなる。


だから、そんなときは「都合」で選択していくのだ。

この場合は、きっとこうしたほうがいいかもしれない。
この時は、こうしたらスムーズだろう。
こうなると、次はこうだから、多分こうしておいたほうが良さそうだ。

自分が「都合」で出来上がっていく。


だから
欲しいものはいつも、手に入らないのかもしれないね。


もう少し、我が侭に
生きてみても、いいのかなぁ?


+++

空を飛ぶ、夢を見た。


配線と電子盤だらけの部屋。
消し損ねたモニターには、灰色の砂嵐が映っている。

まだ眠気が抜け切らない脳へ、瞼を擦って目覚めの合図を送る。



何処かで見たことのあるような、夕暮れがかった青空。


夢で見た映像が、まだ鮮明に記憶に残っている。

遠くから聞こえる夕方を告げる柔らかな時計の音が、
夢でも現実でも鳴り響いていた。


窓を、開ける。


懐かしい風の匂いが、今がどの季節かを意識に刻み込ませてくれる。


完全に目は覚めて、脳が冴え渡っていく。

夕焼けに染まる街並みの、その光景に釘付けになる。

過去を振り返り、現実を傍観していたくなるような気分だ。


鮮やかで褪せる事のない色彩。
その光に照らされてはっきりとしたラインを見せる影のコントラスト。
空の、淡い雲の影と輝き。

ずっと眺めていたかった。


写真に収めようかと思ったけれど、一瞬でもこの場を離れたくはなかった。

見渡す限りのこの映像を、どこかに大事に保存しておきたかった。


無心で、脳のどこかに焼き付けておこうと眺め続ける。

吹き抜けていく風が、少しだけ冷たくなってきた。


太陽が、沈む。

木々が揺れて葉の擦れ合う、静かなさざめきは止まない。


けれど、強いフラッシュにようやく目が慣れてきたかのように、
ようやく思考が現実的な動きを始めた。

振り返り、自分の部屋を眺める。


やることは山積み。

しかも、どれも中途半端だ。

一つ一つ片付けていかなくてはいけないという事実に、
思わず小さくため息をついてしまった。


けれど、いつかは終わらせなくてはいけない。


尻を叩くようにして、自分の気持ちにそう言い聞かせる。

よし、と小さく呟いて、作業の続きに取り掛かった。


後ろ手で窓を閉めたその向こうには、
夜の帳に包まれようとしている紫紺の空があった。


***


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