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あの人みたいに
キミに夢を見ることは出来ない
やっぱり 出来ないんだ
それとも
そう思い込んでるだけなのかなあ?
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ぽつんと
ひとり
あの空高く浮かぶ月を見つめる
子猫みたいな姿があった
ああ、もしかしたら
彼女は
放って置けば
僕の事なんか忘れて
何処かへ行ってしまうかもしれない
ちょこまかと 全く自由に動き回って
寂しくたって
優しい 楽しい仲間を見つけては
仲良くなって
気まぐれに どこかへ消えては
姿を現して
人懐こい笑顔で
誰にでも好かれて
受け入れられてしまうんだろう
そんな彼女に 憧れた 僕は
今
ぽつんと
ひとり
あの空の月に恋してるみたいな
彼女の後姿を見ている
ああ、もしかしたら
このまま彼女を 放って置いたら
あの月を追いかけて
何処までも遠くへ
行ってしまうんじゃないだろうか
僕の事なんか忘れて
彼女が恋した 唯一の姿を追って
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疑り深いのは
彼女が警戒心の強い人だからだ。
それはひとえに
傷つくのを恐れているからだ。
たまに、彼女は酷く冷たい。
昔から、突き放したような物言いを突然することがある。
それは、彼女が牽制しているんだ。
自分のテリトリーへ受け入れてもいいかどうかを確かめて。
相手を傷つけるのも、自分が傷つくことも
本来、彼女は極端に嫌がる人なんだ。
彼女は、自身で判断して、傷の浅いうちに事を解決しようとする。
僕はただ、彼女に寄り添っていたいと、思っていただけなのだけれど。
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あたしを愛すくらいなら
他の人を、愛した方がいい。
やっぱり変わらない、答え。
キミの口から、まだ数えるぐらいしか聞いたことはないけれど
もう何万回も言われたような気がするくらい、強く耳に残ってる。
キミがいいのに。
キミを スキなのに。
いずれ、あたしには見向きもしなくなる時が来る。
そうでなくても、あんたには
もっと、その気持ちを大事にしてくれる人がいる。
あんたのその気持ち、鏡に映したみたいに返してくれる人がいる。
きっと、ちゃんとあんたを、愛してくれる人がいる。
どこにいるかわからない、そんな人より
キミがいいのに。
キミが、その人になってくれれば、イイ。
・・・きっと、居るから。
だから、探すのをやめないで。
いづれ、きっと出会える。
あたしは、その人に会うための通り道なんだよ。
いずれ、足跡になる。
あんたを愛してくれた、過去の人たちみたいに。
あんたが愛した、過去の人たちみたいに。
あたしは、あんたに幸せになって欲しい。
なんで、キミがその人にならないと思うの?
キミこそ、足跡なんかじゃなくて
過去に、現在に、未来になっていく人なんじゃないの
これからも、ずっと、ずっと
一緒にいたいと思ってる
うん、そう思いたい。
でも、未来なんて、誰にもわからないから
探すのをやめないで。
あたしなんかで、立ち止まらないで。
なんで。
なんで、そんな事言うの。
未来がわからないなら、次の人がいるかなんて分からないじゃない。
遠い先の未来より、ほんの少し前の未来を見て生きたい。
今は、キミと居たい。
・・・お願いだから。
探すのを、やめないで。
なんで。
キミは泣いてるの。
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ぼんやりと
目の前に広がる風景を見た。
地上から何メートルも離れた景色。
街を歩く人間や、散歩してる野良猫。
建設途中のビルに、近所の広めの公園の緑。
でも、吸い込まれそうなほど魅かれるのは
いつも空だった。
あの雲や、飛ぶ鳥。
銀や赤色に発光している星々や、玲瓏と浮かぶ月。
きっと、あの空に溶け込めたら
僕は何も要らなくなるんだろう
纏わり付いている様々なものを脱ぎ捨てて
ゆっくりと、あの空に溶け込めたならいいのに
この瞬間だけ、誰のことも考えなくて済む。
此の先のことも、過去も、何もかも。
頭から消えてるんだ。
あの空に、溶け込めたならいいのに。
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いつ消えてしまうのか判らない仔猫。
ひょいひょい何処かへ遊びに行ってしまう。
道端には、「気まぐれな猫」を演じている
よく判らない生き物たちがのさばっている中で
正真正銘の仔猫を見つけたんだ。
自分の居心地のいい場所を見つけては、くつろいでいる。
決して、誰かに懐いている訳ではない。
懐かれたと自惚れていると、その瞬間に何処かへ行ってしまうのだ。
ゆらゆらと、その尻尾を燻らせながら
目を離したら消えてしまう、その後姿は自由気まま。
いつか、自分に相応しい死に場所も捜しているんだろう。
ゆったりと、今日も。
日向に当たりながら、気持ちよさそうに伸びをしている。
自由、気ままに気まぐれな、アナタは仔猫。
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いつか
アナタの目の前から
消えて見せましょう
一瞬 でも
世界が あたしを忘れても
アナタは
覚えていてくれますか?
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